始動!松岡正剛に肖る九州の千冊ブックナビ

2025/05/25(日)08:00
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8年近く続いた黒潮大蛇行終息の兆しが報じられる中、イシス界隈に、これまでにない潮流がおこっている。
松岡正剛の「千夜千冊」をキーブックとし、「九州の千夜千冊」を冠した雑誌づくりが動き出したのだ。


イシス編集学校の九州支所20周年企画

九州支所の名は九天玄氣組、校長である松岡正剛の名付けだ。20年間“九州という方法”を探求してきた。周年企画はその集大成であり、柱となるのが雑誌づくりだ。発足会を開催した9月の彼岸をめざして刊行する。

雑誌は予約販売を行うが、完成させることだけが目的ではない。編集作業は九天だけでは行わない。イシス編集学校の有志や外部のゲストにも呼び掛け、組の内外、学校の内外が混ざり合い、刊行後も編集状態が渦を巻き続けることを意図している。

 

松丸本舗ブックショップエディターも再始動

「九州の千夜千冊」選書チームには、多読アレゴリアの運営メンバーや伝説の本屋「松丸本舗」のBSE等に声掛けをし、前のめりな面々が集った。
選書のためのラウンジも設営し、5月10日にはキックオフミーティングを開催。松岡正剛に届けるつもりで選び書くこと、九天は九州の深層を掘り、九天外はイメージを広げることを確認しあった。

 

Zoomでのキックオフに集ったイシス選書チームと九天玄氣組の面々

 

刊行まで4カ月、選書と雑誌づくりの情報は今後の遊刊エディストをお見逃しなく。

 

アイキャッチ/関門海峡。九州と本州のあいだ。流れの向きは満ち引きごとに替わる。

  • 石井梨香

    編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。