リアル一種合成で朗希に、村上になれ【51守近大交流会】

2023/06/16(金)08:05
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 プロ野球の交流戦が佳境だ。リーグの壁を越え、ふだん戦わないチームやスター選手が顔を合わせる。首位を走る阪神vsロッテの真剣勝負。WBC侍ジャパンでも活躍した完全試合男・佐々木朗希vs三冠王・村上宗隆。公式戦では見られない。だから想像するだけでファンは高ぶる。そこには[守]の013番で稽古する「一種合成」の魅力がある。ふだん出会わないものがぶつかり合うから、想定外のドラマが生まれる。

 

 交流戦まっさかりの6月8日。近畿大学(大阪府東大阪市)で51[守]受講生を対象とした交流会があった。開講からちょうど1カ月。学部や学科が異なり、ふだん顔を合わせることのない近大生にとっては大切な情報交換の場でもある。なにより、013番「一種合成」番選ボードレール(番ボー)期間。11日の締め切りに向けたオンライン稽古がメインとなった。

 

 まずはコンパイル。おすすめの辞書、ネットで使える辞書を「近大番」と呼ばれる指導陣が紹介する。辞書に目を通した分人庭師教室のNさんは「『羽』に助けるという意味もあったのが気になりました」とチャットに書き込む。隅々まで辞書を見ると発見がある。発見が回答を面白くする。

 

 つづいて回答。お題から「羽」「往来」の2つを選び、回答を次々チャットに上げる。即座に近大番が応じる。「付け加える漢字にもう少しらしさを」「説明っぽいかな」「ニッチを攻めるという方法もある」「いい飛躍です」。リアル指南。それもそのはず、近大番全員が師範代を経験している。こんな機会はめったにない。同じ近大生の回答を共読し、多彩な視点のリアル指南もある。近大生×近大生、近大生×近大番。交流会はリアル一種合成の場でもある。この貴重な機会を逃してはならない。

 

 近大生の諸君、リアル一種合成を恐れるなかれ。教室や交流会での交わし合いによって、あなたは51[守]の朗希に、村上になる。


近大番 梅澤奈央 齋藤成憲 後藤由加里 景山和浩
編集工学研究所 衣笠純子 橋本英人

◎次回の近大交流会:7月12日(水)。お忘れなく

  • 景山和浩

    編集的先達:井上ひさし。日刊スポーツ記者。用意と卒意、機をみた絶妙の助言、安定した活動は師範の師範として手本になっている。その柔和な性格から決して怒らない師範とも言われる。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。