ワークショップエディターが日本イシス化の先陣を切る!【実香連】

2023/06/10(土)18:25
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日本サッカー協会は「2050年までにW杯優勝」という目標を掲げている。ならばイシス編集学校は「2050年までに編集を日本のインフラにする」と目論んだのは学林局林頭・吉村だ。ところが校長松岡は一蹴。「2050年では遅い。いまから5年でやりなさい」。

 

かつて講座修了イベント・感門之盟を2週間ぶっとおしでやった男、吉村だ。この程度でひるまない。すぐさま5年後の「2028年」に照準をあわせて、日本イシス化計画「インタースコア2028」をキックオフ。校長からは「イシス編集学校でさまざまなことを同時に立ち上げ始めてもらいたい」とのオーダーも出された。イシスの軍団力発揚の嚆矢とすべく、吉村はとある集団に招集をかけた。その名を、実香連(じっこうれん)という。

 

▲校長松岡正剛による実香連の書。

 

 

●吉村のファーストパスはあの人と

イシス編集学校の外部へ編集を伝えるための場を創出する。これが実香連の使命である。メンバーは師範代養成講座・花伝所を修了したのち実香連に加わり、独自の課題や研修、リハーサル個別指導、実地トレーニングなどを経て、編集ワークショップをナビゲートするプロとしてデビューする。未入門者向けの編集体験エディットツアーや学校説明会企業向けの情報編集力研修やリベラルアーツ研修、大学や図書館でのブックワーク講座など、さまざまなワークショップの場をエディットしてきた。

 

5月末、実香連を牽引してきたベテラン勢に吉村はこう告げた。

 

これからは週一でワークショップを開催していきたい

 

学林局局長・佐々木が年内のスケジュールを映し出すと、吉村はすかさずメンバーの予定を確認しはじめる。「みなさん、ご都合はいかがですか?」と軽くボールを蹴ったあと、鋭いパスが飛んだ。

 

若林さん、どの日程ならいけそうですか?

 

吉村のファーストパスのお相手は若林牧子だった。基本コース[守]の番匠として講座を支え、ワークショップでのおもてなし力で右に出る者はいない食と農のコーディネーター。エディスト名鑑では「アシスタントにしたいNo.1師範」と言われるだけの抜群のトラップでパスを受けとめた若林は、すぐに日程を返す。これで勢いづいたメンバーたちは次々にパスを回し、あっという間にワークショップの日程が仮留めされた。

 

 

▲多彩で多才なメンバーが顔を合わせた。師範にAIDAに読衆にとつねにハイチャージな空飛ぶアセットマネージャー平野しのぶ/イシスが誇る「ワークショップ四天王」の異名を持つNPO法人起業支援ネット代表理事久野美奈子/実香連の花、企業研修の幹として数多くのワークショップを手がけ物語の根を広げる人事のS前人未踏の4期連続師範代登板という偉業でイシス史にその名を刻んだハレ暦案内人藤田小百合。冊師、共読ナビ、大学講師、書籍編集、メンタルコーチとマルチに活躍するハイパーエディター田中むつみテキスト&ヴォイスで出会った者たちを編集の虜にする魅惑のジャズシンガー中原洋子/そして宮之原立久の姿もある。編集稽古と指南の基本をつくりあげ、システム構築にも携って「教頭」としてイシス編集学校の創立に尽力した大ベテランだ。

 

 

●ワークショップのさらなるエディット

週に一度のワークショップ開催のほかにも、次のようなワークショップ編集を実香連で仕掛けていく予定だ。

 

◎少人数制でより手厚く

 エディットツアーや学校説明会を、これまでより参加者の人数を絞って開催する。少人数だからこその参加者同士の交わし合いの機会や、個別のご質問・ご相談を受ける時間を充実させる。

 

◎多色なワークショップエディターによる独自企画も

 通常のワークショップに加えて、それぞれのワークショップエディターのエディティングキャラクターを活かした独自のワークショップの企画も行っていく。

 

◎企業研修の拡充へ

 企業向けには「情報編集力」「アナロジカルシンキング」「クエストリーディング」等の公開コースに加えて、企業別のカスタマイズ研修を従来より行ってきたが、ビジネスシーンにおける編集力への注目度は増す一方である。そんな時代の潮流を見据え、カスタマイズ型の研修をより広く展開していく。

 

さらに実香連の運営体制の強化プランも発表された。メンバーの技能更新の場を充実させるとともに、新メンバーを招き入れ、林頭吉村みずからがワークショップエディターとしての手ほどきをする研修プログラムも近日予定されている。

 

 

●まもなく米田奈穂がフィールドに立つ 

ミーティングのあと、まっさきに駆け出したのは上杉公志だった。松岡校長期待のiGEN7人衆であり遊刊エディストや千夜千冊の編集部など引く手あまたの音楽家は、誠実なタクトさばきで6月8日(木)の学校説明会をナビゲートした。つぎは米田奈穂の出番である。風韻講座で最優秀賞「ポケット太夫」に輝き、遊刊エディストJUSTライターでの活躍も光る文楽フェチで近江ラヴな大学司書の米田は、6月24日(土)14時よりオンライン学校説明会をナビゲートする。

 

学校説明会の参加は無料だ。チケットのかわりに好奇心を持って、ぜひ編集スタジアムに遊びにきていただきたい。

 

https://shop.eel.co.jp/products/detail/551

▲スタジアムへの入場はこちらから。時間は90分。熱烈なご質問などがあればアディショナルタイムもあり得る。

  • 福井千裕

    編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。