【83感門】読了式~「冊師」の書~

2024/03/27(水)08:00
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第83回感門之盟「EDIT TIDE」では今まで別に催されていた多読ジムスペシャルの読了式がDay3の中に設われる初めての試みとなった。2021年の第1回「大澤真幸を読む」を皮切りに始まった多読ジムスペシャルも今回の「鴻巣友季子を読む」で第4回を迎え、名物講座になりつつある。今回の多読ジムスペシャル「鴻巣友季子を読む」では3つのスタジオが立ち上がり、3人の冊師が読衆と本との英雄の旅に伴走した。

 

▼多読ジムスペシャル「鴻巣友季子を読む」

  •   スタジオ繙∞翻     浅羽登志也 冊師 
  •   スタジオ*変奏曲    小路千広  冊師 
  •   スタジオ◎ことばの渦    吉野陽子  冊師

 

左:吉野陽子冊師 中央:浅羽登志也冊師  右:小路千広冊師

 

木村久美子月匠は多読ジムを世界中のたくさんの本をつなぐ膜のような存在と言い現わし、それを支えてくれているのが「冊師」だと称えた。無事、読衆を帰還に導いた冊師に校長の書が贈られたが、こちらは木村月匠が校長に「おねだり」して、今回の読了式で初めてお目見えされたもの。

 

多読ジムを支えてくれる冊師の皆さんにお礼をしたかったと述べる木村月匠

 

2020年から始まった多読ジムは春夏秋冬と継続開催されており、只今season18春の開催真っ最中。その間に総勢26名の冊師が誕生した。多読ジムという場がもつ可能性に挑み続けてきた、そして今もなお挑み見続けている冊師全員へ「冊師」の書が届けられる。

(写真:福井千裕)

  • 萩原ヒロキ

    編集的先達:荘子。人材業界の会社員として、営業、労務管理、開発、マーケ、海外事業、広報、人材採用、人事企画を求められるまま次々に異動することも、風に吹かれるすすきや竹のごとき受容力の持ち主である由縁か。野口整体、アレクサンダーテクニーク、ゲシュタルト療法、ヒーリングなどの心身に関わる方法を学び、セラピストとしての活動歴もあり。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。