多読ジム冊師・新井陽大による共読ワーク出張便の裏側を見た!【81感門】

2023/03/18(土)08:00
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシックにおける侍ジャパンの快進撃が続いているなか、イシス編集学校で書物の読み書き編集に特化した多読ジムのインストラクター「冊師」新井陽大が、感門之盟初日の3月18日(土)夕方に進行を任されている参加型の共読ワークに向けたダンドリをぐんぐんと進めていた。「バニー」の愛称でイシス関係者から信頼される新井。本番前日のリハーサルでどのようなディレクションを受けていたのかの一部を明らかにしたい。

 

 学衆たちの講座修了を祝う卒業式イベント「感門之盟」の司会・長島からの模擬紹介の後、新井は多読ジムの魅力を話し始めた。教頭ポジションの「林頭」吉村から間髪を入れずに一言が放たれる。「多読ジムは講座ではない。プログラムなんだ」。基本コースの[守]や応用コース[破]での稽古の場は「教室」と呼ばれるが、多読ジムではもっとカジュアルに「スタジオ」と呼ばれる。筋トレで身体の筋肉をしなやかに鍛えるように、本を媒介とした読み書きを活性化させるプログラムを通じて、アタマの中の贅肉を落とす。座学的な講座というよりも、自ら積極的に動かすトレーニングプログラムなのである。キーワードやその周辺ワードに注目するなどの方法を使って創文と推敲を進め、書物の中に潜む未知のモンスターと出会うことが可能だ。

 

 次の4月から6月末にスタートする多読ジムプログラムのトレーニングの目玉を紹介した後、空間を超越してオン/オフラインの参加者をつなぐワークが始まった。そこでなんと機器のトラブルが。以前の感門之盟司会時の服装を連想するバニー新井の白きノートパソコンがインターネットにつながらない。イシスの究極コース[離]の受講中に2度壊れて修理していたいわくつきの一品だったのだ。傍にいた記者からタブレットを借りて、オンライン参加者からのzoomチャットを確認した。

 

 

 チャット上には新井を元気づける回答が次々と登場。お一人からは7冊もの回答が届き、さっそくチャット投稿者にインタビューを始めた。リアル側参加者へのインタビューも終え、舞台裏に戻った直後、再び林頭・吉村からは多読ジムを盛り上げる一言を加えるアドバイスもあった。話し始めると止まらない陽気なバニーが今回は緊張していた。リハでのトラブルで抱いた切ない気持ちを一晩で回復させ、家に置いていた信頼できるiPadを持参して本番に挑むのだ。新井が担当する共読ワークのコーナーはオンラインの方も参加可能。ぜひ積極的な参加でバニーを応援してほしい。

 

  • 畑本ヒロノブ

    編集的先達:エドワード・ワディ・サイード。あらゆるイシスのイベントやブックフェアに出張先からも現れる次世代編集ロボ畑本。モンスターになりたい、博覧強記になりたいと公言して、自らの編集機械のメンテナンスに日々余念がない。電機業界から建設業界へ転身した土木系エンジニア。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。