〈感門特別企画〉番外稽古が始まった!突破学衆による「エディストのつもり」を公開します【47[破]】

2022/03/27(日)09:00
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感門之盟とは、祭りである。47[破]勧学会クローズを控えた26日深夜、学匠原田淳子はつぶやいた。「感門は卒業式がプロトタイプと思っていましたが、やっぱりこれは祝祭か」 半年間の収穫を一気に蕩尽する2日間のハレ舞台。祭りの熱気は、何かを覚醒させる。

 

「最後の最後までまさかまさかまさか、プランニング編集術でフィナーレを迎えたかと思いきや、最後の最後までこんな熱気が教室を渦巻くなんて」学衆Kは頬を紅潮させた。感門之盟を超えて、稽古が再燃した教室がある。

 

「しっぽりと勧学会を閉じるつもりが、キャンプファイヤーのように盛大になってしまいました」
思わぬ燃え上がりに驚いているのは、万事セッケン師範代堀田幸義だ。堀田といえば、78感門ではアイヌ衣装に身を包んだあのツワモノ。自分はファッションに疎いからと、感門之盟での衣装を学衆に上着から帽子、靴、アクセサリーまで1点ずつアイテムを選んでもらうという画期的な”着せかえ人形法”を編み出したのだ。その仕掛人堀田は衣装プランニング以外にも、もうひとつ企みを用意していた。それが「エディスト記者モドキ」である。チームメイトの泉カミーノ教室師範代山口イズミとともに、学衆に感門特別お題を出したのだ。

 

そのお題とは、感門之盟にオンライン参加しているあいだ、気になったシーンをスクショで収め、エディスト記者になったつもりで語れというものである。今期、[破]師範代と並行して多読ジムSPも受講した猛者・山口は「タブロイド紙をマーキングせよ」という読前の指示からはじまり、《5つのカメラ》《キーノートエディティング》など破で学んだ型を使うようにダンドリまでつぶさに提示してみせた。

 

そして感門之盟翌日、記事はあがってきた。万事セッケン・紀平尚子がエディスト記者になりきって400字の原稿を書いたのだ。教室名にちなんで「本楼をセッケン」と題されたその第一稿は、破での学びを存分に生かした出来栄えであった。その後も2教室から、ぞくぞくと原稿が寄せられた。

 

もともとは勧学会だけで完結するはずの企画だったが、これをお蔵入りさせるのはあまりに惜しい。番記者梅澤奈央が堀田・山口にそう伝えると、「記事があまりにスバラシイので、わたしのほうから編集部に売り込みたいと思っていました!」と山口が即座の応答。その直後から師範新井陽大も加わり、各教室2人がかりの指南で記事を磨きあげた。

 

「編集学校ってほんとうに贅沢な場」

学衆がうっとりするほど濃厚な番外稽古を繰り広げ、もはや、第3回アリスとテレス賞の様相を呈した「エディストのつもり」を、はじめての学衆発記事として順次公開していく。

 

▼予告

◎第1弾:唐傘さして49[守]へいく【78感門】/中村裕美(47[破]泉カミーノ教室 学衆)

 

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。