【松岡正剛 映写室 Take-06】演出でインタースコアする

2022/07/27(水)08:00 img
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【松岡正剛 映写室】は師範の林が松岡正剛の表舞台、裏舞台を動画撮影した記録を蔵出ししていくEdist企画です。

 

【Take-06】は前回に引き続き「千夜千冊の秘密」のインタビューで松岡正剛が演出について語っている場面を取り上げました。

編集学校では、学び手である学衆がわずか1年半で教える側の師範代へと成長していく。この体験は、松岡が日頃行っている編集にも通じている。現在、私は花伝所の指導陣として師範代(編集コーチ)養成講座に関わっているが、独断で進むことなど、ほぼない。全てがインタースコアで、相互に交わしながら進んでいく。指導する立場であっても、時に松岡から喝が入ることもあり、学び手の自己は常に存在し続ける。

 

松岡といえば、伝説の雑誌『遊』を生み出した奇才・編集者というイメージがあるが、今は編集工学研究所所長、編集学校校長、角川武蔵野ミュージアム館長、著者と多彩な顔を持つ編集者だ。松岡はなぜ多彩なロールを同時に持つことができるのか、そこには「演出する」ことと「演出される」こと、これが常にインタースコア状態で起きているからなのだろう。その一端を動画でご覧いただきたい。

 

【松岡正剛 映写室 Take-06】演出でインタースコアする

 

※2021年4月初旬に行ったインタビュー映像と2020年8月に開催された丸善創業150周年記念イベント「千夜千冊の秘密」のリハーサル映像を使用して編集しています。

 

 

撮影・編集 林朝恵
撮影 後藤由加里
協力 松岡正剛事務所

 

【Back Number】

【松岡正剛 映写室 Take-01】どこでも読む書く

【松岡正剛 映写室 Take-02】黒板で思考をキリトル

【松岡正剛 映写室 Take-03】講演は舞台のように

【松岡正剛 映写室 Take-04】校長もREMIXする78感門

【松岡正剛 映写室 Take-05】本を主人公にする★祝1800夜

  • 林朝恵

    編集的先達:ウディ・アレン。「あいだ」と「らしさ」の相互編集の達人、くすぐりポイントを見つけるとニヤリと笑う。NYへ映画留学後、千人の外国人講師の人事に。花伝所の花目付、倶楽部撮家で撮影・編集とマルチロールで進行中。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。