編集を自在に遊ぶリレーコラム「遊姿綴箋」がスタート

2023/12/08(金)11:45
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リレーコラム遊姿綴箋の執筆メンバー

遊刊エディストが、創刊以来5回目の秋を迎えた2023年10月の編集会議で、吉村堅樹編集長の”ないものフィルター”が動いた。

新聞などのメディアにあって遊刊エディストに今ないもの。

それは、“名物コラム”ではないか。リレーコラムをはじめよう。  (吉村堅樹編集長)

 

こうして、吉村編集長があくなき情熱をかたむけてディレクションするエディストに、新コーナーが加わることになった。リレーコラムの名前は、「遊姿綴箋(ゆうしてんっせん)」である。

 

「遊姿綴箋」と名付けたのは、遊刊エディストだけに、また松岡正剛校長の『遊』にあやかる意味もあり

やはり“遊”の文字は必ずいれようと考えていました。

このコラムでは、毎月テーマを決めて、腕のあるライターたちが同じテーマを綴ります。

それぞれが、編集を自在に遊んでいる姿を短いコラムとして綴ってもらいたいんですね。

ただ、言葉の響きは有刺鉄線ですから、ちょっとした毒や棘もあるといい。社会風刺的なものがあってもいいですね。 (吉村堅樹編集長)

 

メディアにとっての名物コラムは、いわゆる「顔」だ。世の中のテーマをとらえながら、そのメディアの“らしさ”を表現し、人々を楽しませる。ときには問題提起や社会風刺を示すこともあり、大事な役割を担う。イシス編集学校の各種講座を担当する指導陣が綴るエディスト記事が、編集工学を伝える骨のある”社説的コラム”とするなら、「遊姿綴箋」は肩の力を抜いて楽しめる”遊戯的コラム”といったところだろうか。もともと遊戯の字には、いっさいの束縛を脱して自由自在の境地にある、という意味がある。

 

今回、松岡正剛校長の名作、オブジェマガジン『遊』の文字をとったエディストがはじめる「遊姿綴箋」で執筆を担当するのは、選りすぐりのエディスト・ライターたちだ。編集長の呼びかけに応答し、ユニークなバックグラウンドの書き手たちが集まった。このメンバーが2024年5月まで担当する。

 



梅澤奈央 さん

梅澤奈央

編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。 イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

https://eel-dev.sakura.ne.jp/author/umezawa/

 

小倉加奈子 さん

小倉加奈子

編集的先達:ブライアン・グリーン。病理医で、妻で、二児の母で、天然”じゅんちゃん”の娘、そしてイシス編集学校「析匠」。仕事も生活もイシスもすべて重ねて超加速する編集アスリート。『おしゃべり病理医』シリーズ本の執筆から経産省STEAMライブラリー教材「おしゃべり病理医のMEdit Lab」を開発し、順天堂大学内に「MEdit Lab 順天堂大学STEAM教育研究会」を発足。野望は、編集工学パンデミック。

https://eel-dev.sakura.ne.jp/author/ogura/

 

林 愛  さん

林愛

編集的先達:山田詠美。日本語教師として香港に滞在経験もあるエディストライター。いまは主婦として、1歳の娘を編集工学的に観察することが日課になっている。千離衆、未知奥連所属。「多読ジムSP大澤真幸を読む」では冊匠賞を受賞。

https://eel-dev.sakura.ne.jp/author/hayashi_ai/     

 

原田淳子 さん

原田淳子

編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。

https://eel-dev.sakura.ne.jp/author/harada_junko/

 

福田容子 さん

福田容子

編集的先達:森村泰昌。速度、質、量の三拍子が揃うのみならず、コンテンツへの方法的評価、厄介ごと引き受ける器量、お題をつくり場を動かす相互編集力をあわせもつ。編集学校に現れたラディカルなISIS的才能。松岡校長は「あと7人の福田容子が欲しい」と語る。

https://eel-dev.sakura.ne.jp/author/fukuda_yoko/

 

堀江純一 さん

編集的先達:永井均。十離で典離を受賞。近大DONDENでは、徹底した網羅力を活かし、Legendトピアを担当した。かつてマンガ家を目指していたこともある経歴の持主。画力を活かした輪読座の図象では周囲を瞠目させている。エディストでは「まんがのスコア」を担当、50人の作家を模写するシリーズが大好評。

https://eel-dev.sakura.ne.jp/author/horie/

マンガのスコア(@Xlq35SgkDIyWXP5)さん / X (twitter.com)

 

山本春奈 さん

山本春奈

編集的先達:レオ・レオーニ。舌足らずな清潔派にして、万能の編集ガール。定評ある卓抜な要約力と観察力、語学力だけではなく、好奇心溢れる眼で小動物のごとくフロアで機敏な動きも見せる。趣味は温泉採掘とパクチーベランダ菜園。愛称は「はるにゃん」。

https://eel-dev.sakura.ne.jp/author/yamamoto/

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/%E3%81%BB%E3%82%93%E3%81%AE%E3%82%8C%E3%82%93%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AA/id1685521940 

 

 



 

12月のテーマは「クリスマス」、「遊姿綴箋」は2023年12月8日からスタート、こうご期待。

  • エディスト編集部

    編集的先達:松岡正剛
    「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。