この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

こんにちわ。森山です。
このごろは一雨ごとに気温が下がって、かさねのおしゃれが楽しみになってきましたね。
昨日と今日は、あちこちから小物を引っ張り出して「こんなのがあった!」と、持っているアイテムを自分に再インプットしつつ、アイロンがけをしたりしています。
今年の秋冬はマフラーとモコモコのカバンの出番が多くなりそう。
こんな風に、洋服の小物や着物の小物を、並べて眺める時間が大好きです。そして、こんな時はいつも頭の中で、「おそろい(お揃)」づくりをしているのですが、きっとこれは「守」の情報収集のための編集術「レパートリー・カウンター・パレット」とおんなじで、自分の持っているものでデパートごっこを節目ごとにしちゃうんですね。
どうして急にそんなことをしているかというと、実は昨日見つけたネパール製の白いフエルトの丸いバッグが、とてもとても気になっていて、紺か白かカーキーのどの色にするかを迷っているからなのです。
なので、レパートリーを眺めながら「あー、やっぱりここにあの白いバッグがあったら、これとこれにも合わせられるし、やっぱり白が紺よりもインパクト大!」と、「おそろい」が作れる小物の数を数えたりしています。
着物の編集は「あわせ」と「そろえ」が基本ですが、かといって「あわせ」も「そろえ」も着物と帯や帯揚げだけの話ではなくて、着物以外のストールや手袋やバッグでできちゃうし、そこに「洋服」と「着物」の間(あわい)で遊べる場所があるんです。
アイロンがけですっかり蘇ったコムデギャルソンのウールのストール。
これにフエルトの白のバッグを持って、黒のエナメルの草履(底裏が赤!)を履いて、黒の手袋をして、黒の色無地の着物に、黒の水玉の帯に、赤の帯揚げに、帯締めは、・・・もうちょっと考えましょう。
因みに、着物は袖口の位置が大きく動きますので、手袋は長めが断然いいですよ。
森山智子
編集的先達:和泉式部。SE時代にシステムと着物は似ていることに気づき開眼。迷彩柄の帯にブーツを合わせる、洋服生地を帯に仕立てる等、大胆な着こなしをはんなり決める。イシスにも森山ファンは数多い。
2025年春の多読アレゴリアのクラブ開講に向けて準備中。
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。