多読ジム  多彩で多動なスタジオじまん

2020/04/30(木)10:53
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 2020年4月13日(月)<多読ジム>Season02がスタートした。

 

100名超の読衆(どくしゅう)が11週間という期間で読み書きの筋肉を鍛えるべく、光速スピードでトレーニングに邁進している。

 開講から10日が過ぎ、スタジオを越えて誰もが集える【書院】ラウンジでは大音美弥子冊匠によるナビゲートのもと、各スタジオの冊師による‶スタジオじまん”がスタートした。

 各スタジオに届いた読衆たちの自己紹介(セルフ・プロフィール)を再編集して、冊師が自分のスタジオ「じまん」するこのイベントでは、読衆それぞれが自分を導いてくれる、“編集的先達”を紹介する。

 ハッとさせられた先輩。へーっと感心した彼ら。ほほ~っと納得したあのヒト。
 
 多動で多様な先達を受けて、各スタジオの冊師が多彩なメッセージを送る、その一部を紹介したい。


●ハッとさせられたのは?
 ジミー・ヘンドリックス

 ジミヘンの前後でロックには大きな変化があり、さらに可能性が拡大した。多様な音や音楽、そして楽器ツールを駆使したというロックミュージシャン。方法的で未知に向かうところが、まさに編集的先達です。(スタジオポテチ 宮野悦夫冊師)


 ●ヘーっと感心したのは?

 吉田兼倶

 仏教・道教・儒教ほか、陰陽道等の教理や儀礼を取り入れた吉田神道。その吉田神道の礎をたったひとりで築き上げた中世の神道家。とても大きなエネルギーをお持ちの方だったのだなと感じ入りました。(スタジオNOTES 中原洋子冊師)


●ほほ~っと納得したのは?

 ココ・シャネル

 コードブレイク&モードクリエイションの代表であるシャネル。人は生き方を自らの手で編集できるのだということを証明して
みせたそのことに、惹かれずにはいられません。(スタジオ伴窓 加藤めぐみ冊師)


 

   

 

『日本書紀神代抄』(吉田兼倶著/桜の花出版)


 
 このほか、多士済々な集まりの編集的先達がさまざまな境界を越え、自由自在に読書へ誘う。

 たとえば、ロック、哲学、航空工学、経済学からーー時代もジャンルも飛び越えた導師の深いまなざしにハッと息をのむ。

 いやはや!文学、革命、スポーツ、国学においてはーー未知も既知も混ざり合う先達の集まりに好奇心のカーソルがへーっとあちこちを動き回る。

 なるほど、和歌、神道、美学、政治と社会とくるとーー古来から現代まで、己の道を徹底した先達にほほ~っと頷く。

 スタジオを飛び交う多様な情報に、冊師もまた、縦横無尽に感応を楽しみながら本の扉を開いていく。
 
 スタジオ印の吉野陽子冊師の言葉を借りると、分断の壁をしなやかに越える読筋をもちたいと改めて誓いました」

 世界が遮蔽され続けるいま、読書は躊躇なくその壁を乗り越える。トレーニングを通して、どんな筋肉が育っていくだろうか。

 
 Season02のスタジオ名と冊師は以下の通り

 スタジオ935    冊師●浅羽登志也
 
 スタジオ*ローグ   冊師●おおくぼ かよ
 
 スタジオ凹凸     冊師●景山卓也
 
 スタジオ伴窓     冊師●加藤めぐみ
 
 スタジオNOTES  冊師●中原洋子

 スタジオこんれん   冊師●増岡麻子

 スタジオ茶々々    冊師●松井路代

 スタジオふきよせ   冊師●松尾亘

 スタジオ ポテチ     冊師●宮野悦夫

 スタジオ印      冊師●吉野陽子



  Season03はウェブサイトから仮予約ができる。※受講は突破者に限られる。 

 

  • 増岡麻子

    編集的先達:野沢尚。リビングデザインセンターOZONEでは展示に、情報工場では書評に編集力を活かす。趣味はぬか漬け。野望は菊地成孔を本楼DJに呼ぶ。惚れっぽく意固地なサーチスト。

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。