この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーひとりひとりが厳選した、見逃せない ”今月の推しキジ” を発表です!
みなさんにとってのイチオシ1本はどの記事でしたか?
では、遊刊エディストをさらに楽しむ「エディスト・セレクション」2022年2月号、お楽しみください。
◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範、松原朋子 師範代
イシスの正月といえば、彼らが主役。1月はこれにキマリです。
⦿【Playlist】玄氣で侠氣な九天7選(選:中野由紀昌)
まずはこの冒頭6行をお読みください。もう付け加えることなどありません。このPlaylistはなんなのか、なぜ読む必要があるのか、過不足のない完璧なリード文で読者を九天の囲炉裏へと誘います。
タモリからドグラ・マグラの女まで、イシス全国を震撼させた2021年の年賀をご記憶の方も多いはず。なぜ九天はあんなことをしでかすのか。「だってほら、九天はもっと遠くへいきたいじゃない」中野組長の熾火の微笑に炙られましょう。── 梅澤 奈央
Q.九州出身者の性格、その特徴は?
A.責任感がある・人情派・行動で示す・お祭りが好き・頼りがいがあるなどなど(マツコ調べ)
はい。本当にその通りの熱い厚い篤い編集力を感じるPlaylist。九州出身者もそうでない方も、一度は目を通してみてほしい!
2 マエストロ上杉’s 推しキジ!
─ 応援ファンファーレでPick!
⦿学衆呼んで鬼の平蔵あらわる―48[守]
⦿種蒔きの汁講・芽吹きの番ボー―48[守]
どちらも48[守]師範視点での阿曽祐子さんの記事です。阿曽さんは「たくさんのわたし」を実践されている方として、密かに注目しているお一人なんです。
輪読座では座衆として毎回意欲的な図象を欠かさず寄せ、千夜千冊エディションブックフェアでは引用のセレクトをし、時にはEdit Coffeeを片手に読書もする。
師範代リレーの代表としてえらばれた第43期がエディスト誕生の期と重なることも、新年にふさわしいかなと思い選びました。これからますますご活躍いただきたい方です! ──上杉 公志
“丸洋子ファン”という属性の人が編集学校には一定数います。私もそのうちの一人です。その丸さんがサイトリニューアルと同時に新たに追加された「Playlist」コーナーにご登場です。
「決して見ることが叶わない裏側」を軸に「ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン」と題して5つの記事をセレクトされています。なかでも松井路代さんの「【三冊筋プレス】プルーストを読み通す方法」の紹介文には一目惚れしました。
古都の自然を背景に描かれる瑞々しいシーンは、松井さんの初恋、結婚、出産という大きな節目を包み流れる川となり、月の面影を宿しながら、切り詰めた言葉とともに読者の心の襞へとひたひたと注がれていきます。
松井さんの「プルースト」は、林愛さんの言葉を借りると「人を好きになった女として」の横顔が見られて編集かあさんの顔とはまた少し異なる味わいが魅力的です。そこを柔らかく掬い取って、情景が浮かぶような言葉で評価して差し上げる。ファンが多いのも丸さんの眼差しのあたたかさと言葉の豊かさゆえなのでしょう。イシスの九条武子とは丸洋子のことをいう。──後藤 由加里
マツコ’s plus ワン・ツー・スリー!
丸洋子さんの流麗な記事、マツコのFavoriteをプラスします
●離ディストの離ユニオン 退院式へ
を推します。
レジェンド漫画家の方法を取り出す連載の方法を取り出すという、メタメタなコンセプトの記事ですね。とはいえ、執筆の過程のみならず、連載を引き受けるときの逡巡や、早く肩の荷を下ろしたいなあというホンネも隠さず書き込まれているところがこの記事の大きな魅力。連載本編も、気取ったところの全くない筆致で、確かな鑑賞眼と分厚い知識が披瀝されているところに大きな魅力があるわけですから、舞台裏のチラ見せとはいえ、「ああ、堀江画伯だなあ」という安心感がむしろ湧いてきますね(笑)
残りのレジェンド人数をカウントしておられますが、この連載が終わっても、エディストは堀江さんを離さないでしょうね。絵に魅力がある記事ということもありファンが多いのだと思いますが、テキストの読み応えあっての存在感なのだと思います。堂々たるゴールを期待したいですね!──川野 貴志
マツコ’s plus ?!
いずれも堀江節を聞くことができるコラムです↓
●【Playlist】サブカル魂をくすぐる7選
DUST界のマイク・タイソン、シーザー井ノ上の久方ぶりの復帰戦! 『遊刊エディスト』というリングは彼にとって「エディティング・スタイルの鍛錬の場」なのである。「松岡ディレクションの言葉」というマウスピースを噛みしめて、ゴングからまもなく「筆圧の高い」コンビネーションを繰り出す。1ミリもブランクを感じさせない。悪名高いダスティ・トリックは健在である。”らくだ”、”吉村堅樹”と数発のDUSTを浴びせた後、林愛の一撃でTKO勝ち。レフェリーがカウント10を数えるあいだ、「なぜ、わたしはこんなに偉そうなのか。林のポテンシャルを予感してエディストライター陣に招き入れたのは、わたし・井ノ上シーザーだからです」とファンサービスも忘れない。またも自己ダスト記録を更新した。今後の活躍が見逃せない!── 金 宗代
”イシス師範代に師範のみなさん。目利き力を磨き、おおいに発揮してください。眼をぐっと開いて、明日のエディストを発掘するつもりで。”
うーん、みなさま、シーザーがすごい目力で見つめてますよ!明日のエディストを、シーザーと共につくろうではありませんかぁ♪
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2022年1月の記事から、エディスト編集部の”推しキジ” を厳選してお届けしました。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
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イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。