この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

─ 波及のインパクトでPick!
Twitterでのバズり記事!
エディスト公開後、自治医科大学 病理診断科のTwitterで 「これは面白い!」とツイートされると、一気にリツイートで拡散しました。編集学校界隈ではない医療関係の方々に、広く読まれたようです。病理を「地」としてエディストの記事が読まれるという7月の大事件でした。
ちなみに私も大腸腫瘍の顕微鏡を覗いたら「小倉先生、白い球がぽちぽちあります」と答えるだろうと思います。
連載中の「45[守]リカちゃん・クッキング」の創作おやつを実際につくりながら、かつての憧れの女教師の面影を追う、宮川大輔師範によるエディストデビュー作。
全国展開中のオンライン編集ワークショップ「エディットツアースペシャル」では、山梨のワークショップをご一緒したのですが、その圧倒的なムードメーカーっぷりがお見事でした! 「あえて隙だらけの構えで、学衆を稽古に巻き込む場の達人」と吉村編集長も絶賛の宮川師範。今後の動向に注目!です。
マツコ: マツコは宮川師範とは数年前、「物語講座」で同じ教室だった仲間なんですよね。そのころから、“奇想天外な発想力・しかし必ず落とし前をつける収束力”に驚かされました。ズキューン、拍子抜け、女教師、ぽんかん指南、三位一体、夏の汗、ニューサマーオレンジ、生命、クオリア……。謎ワード炸裂な宮川ワールドが、暑い夏をさらに暑くしてくれました(えっ?!)
そして、同じくDust記事から、イチオシ、いただきました↓
─ 流麗な文章表現でPick!
タイトルでは高尚な目的意識があるように見せかけて、読むとちゃんとdustyな内容になっています(笑)。「流麗な文章表現」という看板とはちょっと異なりはしますが、表現上のテクニックは、書き手の景山和浩番匠のご本業(新聞社デスク)から見てもさすがの案配です。
マツコ: お~!カバー写真に使ったシーザー井ノ上の写真(熱さがよく表現されている)を、最後にもう一度掲載する。この繰り返しのテクニックも、ニクい!テキストもさることながら、写真づかいも記事を引き立てますね。みなさんにも、シーザーの温度感がお届けできたはず。
そうそう、Edistで、写真と言えば、、、?
─ イシスの今をPick!
エディスト名物とも言える後藤エディストによる「10shot」。
短歌、俳句に遊ぶ[遊]風韻講座のリアルイベント「仄明書屋」。今期はコロナ状況下でオンラインでの開催となったが、いま・ここ・イシスでしかない場になった。「しつらい」にこだわりぬいた木村久美子月匠、ピリッと辛くておかしみのある小池純代宗匠の「もてなし」、ネット歌合、句会での連衆の即興の「ふるまい」。三位一体を切り取った10shotの第一部は、モノにフォーカスをあて、第二部は人物にスポット。オンライン時代のイベント、これくらいは編集しないといけない。
マツコ:言葉を磨く「技法研鑽コース」とされる[遊]を、エディストでどう魅せるか?これが、実は編集部のかねてからのテーマでもあります。今季は、連雀の福澤美穂子さんと大武美和子さんが執筆者としてエディストに参加。歌人・小池純代師範の織りなす風韻空間を、読者の皆様にも感じていただけるよう、言葉をつくしはじめられたことが、何よりもの編集部ハイライトなのでした! 風韻関連の記事はこちら。
6月から連載スタートした多読ほんほん。イシス編集学校が誕生した2000年から20周年を迎える2020年までをその年に刊行された本たちとともに振り返ります。
木村久美子月匠を皮切りに、7月は2003年担当の米川青馬さん(レッシグ『コモンズ』)、松井路代さん(2004年、デュピュイ『ツナミの小形而上学』)、松尾亘さん(2005、サイモン・シャーマ『風景と記憶』)、浅羽登志也さん(2006、梅田望夫『ウェブ進化論』)、吉村堅樹林頭(2007年、伊藤計劃『虐殺器官』)、金宗代(2008年、水村美苗『日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で』)が連打されました。
さらに今月は福田容子さん(2009年ナタリー・サルトゥー=ラジュ『借りの哲学』)が登場し、次回はいよいよテン年代で2020年まで突っ走ります。
もうひとつ、今月は遅ればせながらシーズン2<多読ジム>の三冊筋エッセイもドサっとお届けします。猛暑こそ猛書で乗り切る! GOOD READING!
マツコ:いやぁ、[多読ジム]から届く記事は、読みごたえがありますね。
お盆休みは、みなさんはいかがお過ごしでしょうか? Stay Homeの方は、ぜひ読書の夏といきませんか? 児童・生徒の夏休みも、今年は短縮されているようですね。短い夏の思い出に、多読チームからあがってきた骨太なクロニクルを読むのもよし。ププっとクスっと笑えるショートDust記事もよし、今月の短編小説もよし。マツコは「エディスト三昧な夏」をぜひオシます~
いかがでしたか?!
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2020年7月の記事から、編集部おすすめ情報をお届けしました。
8月も見逃せないぞ、遊刊エディスト! またどうぞお楽しみに~
(Comments by マツコ@編集部)
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。