エディスト・クロニクル2022番外編 松岡校長インタビュー10shot

2022/12/31(土)08:49
img LISTedit

アイキャッチ画像:09.11 第79回感門之盟「イシス題バーシティ」Day2

 

 エディスト・クロニクル2022番外編として、松岡校長インタビュー10shotをお届けします。

 2022年後半のISISイベントでは、校長単独講義に代わり、編集学校メンバーによるインタビュー形式が続く。総勢20名弱の師範、師範代、学衆たちがそれぞれに課題意識を持って、校長に質問を投げかけていった。

 

 

09.11 第79回感門之盟「イシス題バーシティ」Day2

 まず、インタビューのお相手として白羽の矢が立ったのは、福田容子[破]番匠と松井路代冊師の二人だった。当日、福田は京都から、松井は奈良から豪徳寺本楼に駆けつけた。長きにわたりポリロールで編集学校に関わり、講座やプロジェクトでお題づくりに力を尽くしてきた両者は、編集学校とお題のシステムについて問いを立てる。

 当日の様子については、現在50[守]でみちのく吉里吉里教室の林愛師範代の記事Q→Eの波打ち際―校長校話・お題問答編【79感門】をあわせて読まれたい。

 

ヒトの知覚から教室名ネーミングに至るまで、俯瞰的な問いから編集学校の仕組みについてわけいっていく。(写真上:松井路代冊師、写真下:福田容子番匠)

 

 

10.01 50[守]、49[破]伝習座1

10.22 38[花]入伝式

 10月に行われた50[守]・49[破]伝習座と38[花]入伝式でのインタビューでは、奇遇にも[守]の用法1で出題される「たくさんのわたし」について切り込んでいく場面があった。「たくさんのわたし」は名物お題の1つでもあるが、この時期に講座リーダーから問題意識として持ち出されるということは今の時代「たくさんのわたし」が発動されにくいという社会的傾向を汲んでのことかもしれない。

 

 

「わかるとかわるは同じである。変わらなきゃわからないし、わからなきゃ変わらない。そこが根底の根底にある。わかるとかわるはNearly equalだから、いろんなイコールがそこにある。自分一人が情報を分けて集めているのではなく、変わるがわるその都度自分が変化していくのを感じてもらうのが大事」

(写真中央:鈴木康代[守]学匠、右:原田淳子[破]学匠)

 

 

 

「みんな〈実〉の私を求めすぎているし、〈実〉に囚われすぎている。〈実〉は〈実〉になっていないと結論づけたほうがいい」

W花目付と校長の問答の続きは、[週刊花目付#38] 継承は遅延する。を読んでほしい。

 

11.19 第80回感門之盟 15[離]退院式

 15[離]退院式では「編集工学篇」と「世界読書篇」の二部構成で、新旧の千離衆が入れ替わり立ち替わり登壇した。門外不出の「文巻」をからだに通した離学衆からは、編集工学や世界読書のさらに奥と底を問うようなQが連打された。

 

 梅澤光由右筆が進行を務めた「編集工学篇」(写真上)、中村まさとし千離衆が場を取り仕切った「世界読書篇」(写真下)。編集工学の求道者、世界読書家として立つべく、一人ひとりから発せられる真摯な課題や問題に対して火元校長として丁寧に応じていった。

 

エディスト・クロニクル2022 #01 乱世の編集

エディスト・クロニクル2022 #02 1800夜とEdist新連載の夏

エディスト・クロニクル2022 #03 迸る題バーシティ

  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。