この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

イシスでは、[守]を終えた師範代が[破]の教室を持つ際に贈られる教室名を43[破]から出世魚と称してきた。この春に始まる54[破]に並ぶ教室名をドキドキしながら待つのは、10名の師範代だ。54[守]師範の一倉&佐藤コンビに見守られ、新しい名前を抱く師範代たちの浮き立つような笑顔が眩しい。
来し方としての「守」の師範代経験をクロニクルし、新しい「わたし」の発見でもある出世魚教室名へと着替えれば、あとは[破]の英雄伝説の創造に突き進むのみ。10の出世魚教室名と共に、54[破]を背負って立つ師範代の面々を紹介しよう。
54[破]出世魚教室名
◆木村昇平師範代
うごめきDOHATSU教室
⇒ うごめきDD教室
◆小林美穂師範代
モウソウ縁子さん教室
⇒ カオスの縁子さん教室
◆北川周哉師範代
ちぐはぐ夕顔教室
⇒ 夕刊ちぐはぐ教室
◆名部惇師範代
夜が足りない教室
⇒ 夜にさやげ教室
◆榎田智子師範代
半音タトゥー教室
⇒ 半可タトゥー教室
◆竹内哲也師範代
アゴーン・ブラザーズ教室
⇒ 讃岐兄弟社教室
◆儀三武桐子師範代
お伽まばたき教室
⇒ はばたけ御伽衆教室
◆関博一師範代
サルサしかかり教室
⇒ サルサかかりっきり教室
◆飯田泰興師範代
風月盆をどり教室
⇒ 風月踊詠教室
◆本城慎之介師範代
風土いきいき教室
⇒ 風土粋粋教室
安田晶子
編集的先達:バージニア・ウルフ。会計コンサルタントでありながら、42.195教室の師範代というマラソンランナー。ワーキングマザーとして2人の男子を育てあげ、10分で弁当、30分でフルコースをつくれる特技を持つ。タイに4年滞在中、途上国支援を通じて辿り着いた「日本のジェンダー課題」は人生のテーマ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。