この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

2022年9月10日(土)第79回感門之盟。48[破]の突破式では、師範代ロールを全うした8名へ「先達文庫」が授与された。先達文庫は、松岡校長が2000年の開校からつづけているイシス流の寿ぎだ。師範代ひとりひとりの指南ぶりや教室運営をふまえて、松岡正剛校長自らが文庫を厳選し、師範代へ贈るのである。
◆岩橋賢師範代 MOT勿体教室
『グレート・インフルエンザ』(上下)ジョン・バリー(ちくま文庫)
◆佐藤裕子師範代 幕末スサビーズ教室
『古代天皇の誕生』 吉村武彦(角川ソフィア文庫)
『日本仏教史』 末木文美士(新潮文庫)
◆小椋加奈子師範代 特Bダッシュ教室
『向田邦子シナリオ集』 向田和子:編(ちくま文庫)
『向田邦子ベスト・エッセイ集』 向田和子:編(ちくま文庫)
◆渋江徹師範代 それが編調教室
『飛行機物語』 鈴木真二(ちくま学芸文庫)
『中島知久平伝』 豊田譲(光人社NF文庫)
◆山本ユキ師範代 オリーブ・ビリーブ教室
『図書館の興亡』 マシュー・バトルズ(草思社文庫)
『図書館島』 ソフィア・サマタ―(創元推理文庫)
◆輪島良子師範代 伝束スパーク教室
『ベンヤミン メディア・芸術論集』 ヴァルター・ベンヤミン(河出文庫)
『ベンヤミンの生涯』 野村修(平凡社ライブラリー)
◆阿部幸織師範代 シード群生教室
『人間の条件』 ハンナ・アレント(ちくま学芸文庫)
『責任と判断』 ハンナ・アレント(ちくま学芸文庫)
◆大濱朋子師範代 点閃クォート教室
『ヰタ マキニカリス』ⅠⅡ(稲垣足穂 河出文庫)
先達文庫は、原田学匠によって紹介がなされたのちに師範代へ手渡される。その後、師範が師範代へ感門メッセージを贈り、師範代が最後にメッセージを届ける。
本楼の華岡晃生師範からのメッセージが、Zoom越しでオーストラリア在住の輪島良子師範代へ届けられた。
本楼に集う[破]師範代たち
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。