この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

第75回感門之盟「Inform 共読区」で、46[守]を終えた師範代19名に「先達文庫」が授与された。編集学校では一期を全うした師範代に、松岡校長が自ら本を選んで贈る。師範が師範代をねぎらう感門表を授与し、先達文庫を託された鈴木康代学匠が、師範代を称えながら一冊一冊手渡していく。
◆荒川樹里師範代 (ピロシキ・チャーム教室)
『新版–犬が星見た–ロシア旅行』 (武田 百合子/中公文庫)
◆大嶋恒徳師範代 (大阪カルダモン教室)
『茶の湯–わび茶の心とかたち』 (熊倉 功夫/中公文庫)
◆高木文堂師範代 (アクセス鍋奉行教室)
『日本人は何を捨ててきたのか: 思想家・鶴見俊輔の肉声』 (鶴見 俊輔, 関川 夏央/ちくま学芸文庫)
◆松永真由美師範代 (いいちこ水滸伝教室)
『音楽と文学の対位法』 (青柳 いづみ/中公文庫)
◆三谷和弘師範代 (かりぐらジョジョ教室)
『紫の火花』 (岡 潔/朝日文庫)
◆齋藤成憲師範代 (落花狼籍教室)
『感染症の世界史』 (石 弘之/角川ソフィア文庫)
◆中島紀美江師範代 (黄昏メビウス教室)
『エッセイ集〈石井桃子コレクションV〉』 (石井 桃子/岩波現代文庫)
◆品川未貴師範代 (四次元カフェ教室)
『明治の人物誌』 (星 新一/新潮文庫)
◆津村直師範代 (上善如水教室)
『生命の木の下で』 (多田 富雄/新潮文庫)
◆尾島可奈子師範代 (襟足バンビ教室)
『20世紀ファッション: 時代をつくった10人』 (成実弘至/河出文庫)
ご卒門された皆様、おめでとうございました。
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。