この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

イシス編集学校の教室名は“出世魚する”。
これは、43期[破]から新しく取り入れられたシステムで、守から破の師範代になるとき、松岡正剛校長によって再編集され、教室名が変わることをさす。
ブリ、スズキ、ボラは、成長につれ名前が変わる「出世魚」だ。江戸時代には、元服や出世の際に名前を変えたことに似ているため、縁起ものとして出世魚は喜ばれたようだ。
出世魚のごとく、新しい教室名を手に、師範代として大海に泳ぎ出て、大いに自在に指南いただきたいものである。
今回、4月開講の46[破]に向けて、9つの教室名が出世魚した。第75回感門之盟で、プレゼンター野嶋真帆師範・相部礼子番匠から発表された教室名は以下の通り。
◆ 尾島可奈子 師範代
襟足バンビ教室 → ほろよい麒麟教室
◆ 畑勝之 師範代
位相オンライン教室 → アジール位相教室
◆ 森本康裕 師範代
弓心一射教室 → あたりめ乱射教室
◆ 戸田由香 師範代
惑溺セラフィータ教室 → 多項セラフィータ教室
◆ 石輪洋平 師範代
ウラカタ志向教室 → 調音ウラカタ教室
◆ 高橋陽一 師範代
まるごと給水塔教室 → 望眺世界塔教室
◆ 角山祥道 師範代
角道ジャイアン教室 → ジャイアン対角線教室
◆ 大塚宏 師範代
コロナ切れ字教室 → 王冠切れ字教室
◆ 品川未貴 師範代
四次元カフェ教室 → 互次元カフェ教室
▲神獣の出現におどろく尾島可奈子師範代。
松岡正剛校長も、教室名に込めた思いをマイクにのせる。
「泥酔しないようにね」「するめ好きだろ?」「あまりにも給水塔ばっかりだから……」
原田淳子学匠も教室名の出世をすべて見届け、つぎなる46[破]へのチューニングを始めている。
応用コース 第46期[破]
入門日:2021年4月12日(月)
稽古期間:2021年4月19日(月)~2021年8月8日(日)
詳細・お申し込みはこちら
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。