この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!そのなかからエディスト編集部メンバーが厳選した、もう一度読みたい注目の”今月の推しキジ” をお届けしています。
今回は、10月に公開された記事の中から選ばれた記事をご紹介します。選者として、チーム渦より、吉居奈々師範が参加です!気になった記事をぜひ読んでみてください。
では、10月の推しキジ、発表~です!!
武邑光裕の新·メディアの理解 ③ ユニバース25実験とメタバース
ISIS co-missionメンバーであり、メディア美学者・武邑光裕さんの連載「新·メディアの理解」の3本目の記事です。かつて松岡正剛校長も絶賛してましたが、武邑さんの例示の豊富さにはいつも驚かされます。
記事タイトルの「ユニバース25」実験は、マウスのユートピア環境を作り、そこで人口過剰の影響を研究したもので、結論を言えば、悲劇的な結末を迎えました。そして、武邑さんは言います。「『ユニバース25』の実験は、特にヴァーチュアル・リアリティ(VR)やメタバースのようなデジタル空間におけるユートピア的環境の潜在的な危険性について、重要な教訓を提供している」と。ゾッとする内容ですが、これは決して遠い未来の話ではなく、現在進行形あるいは、ごくごく近い将来に起こりうる事態を指し示しています。
メディアの可能性を考えるためには、メディアの危険性や破滅性からも目を逸らすべきではありません。そして、武邑さんの「OUTLYINGな編集力」がゼツヒツです! OUTLYINGな編集力を丸呑みしたいなら、多読アレゴリアへ!
── 金 宗代
ー 応援ファンファーレでPick!
【ほんのれんラジオ】あの恒久師範がゲスト出演!「疲れてちゃダメ?vol.19」シリーズ全6本まとめ
イシス編集学校では、12月からスタートする『多読アレゴリア』を筆頭に、様々なテーマや個人のユニークネスが、これまで以上に相互編集され、メディアを超えて多様に表現されるようになってきています。
今回紹介する記事では、編集工学研究所のPodcastメディア「ほんのれんラジオ」に、ハワイ島在住の身体術トレーナーであり、イシス編集学校師範の渡辺恒久さんが、ゲスト出演されたことがニュースになっています。渡辺師範は、テーマ本の一冊『風邪の効用』の著者、野口晴哉氏の孫弟子にあたります。そんな渡辺師範が「身体観」や「疲労」について、本や編集工学をまじえてどのような対話を繰り広げたのか。詳しくはぜひPodcastでお楽しみください。
開校から25周年を迎えたイシス編集学校。これから、テーマ・メディアを超えたコラボレーションや編集がますます立ち上がっていくことへの期待も込めてセレクトしました。 ──上杉 公志
マツコ’s Plus one!?
恒久師範の語りをもっと!という方は、多読アレゴリアのクラブ「身体多面体茶論」へ。
参考情報
【多読アレゴリア:身体多面体茶論①】「身体」を斬る(導入編)
【多読アレゴリア:身体多面体茶論②】「身体」を読む(進化身体編)
【多読アレゴリア:身体多面体茶論③】「身体」を読む(美食身体編)
【多読アレゴリア:身体多面体茶論④】「身体」を読む(資本主義身体編)
もうひとつ!
マツコ’s Plus one!?
ほんのれんラジオのnote、あります~!
こちらへどうぞ! https://note.com/honnoren/
◎編集かあさんvol.52 喧嘩するならアナキズム【82感門】DAY1
◎編集かあさんvol.53 社会の縁側で飛び跳ねる【82感門】DAY2
第82回感門之盟・番期同門祭。エポックメイキングなこのイベントに私は参加しませんでした。それでずっと後ろめたい気持ちがありました。晴れ舞台に立った人たちのニュースは何となくまぶしくて読みづらかったのですが、主役ではない子どもたちにスポットを当てたこの記事は、そんな私の心にぴったりでした。折り紙を折ったりベビースターラーメンをこぼして決め顔を決めたキッズとともに、同門祭のようすを遠くから感じる。そのうちに、編集の真ん中にいなくても、遠ざかっても、編集とはたしかにつながっていると気づかされました。後ろめたさにポッと灯りをともしてくれた記事に感謝を。 ──吉居 奈々
★10/27(日)スタート★『古事記』『日本書紀』あわせ読みプラス『三国史記』も?!【日本古典シリーズ 輪読座】
「三冊屋」スタイルの輪読で日本古代史“空白の4世紀”に迫る【輪読座「『古事記』『日本書紀』両読み」第一輪】
王子で行っていた輪読座が、編集工学研究所の赤堤移転に伴って、本楼で行われるようになったのが2012年。その開筵の記念すべき第一回が「古事記・日本書紀合わせ読み」であった。そこから12年の月日が流れ、「古事記・日本書紀合わせ読み」の第二弾が開催されている。さらにここに韓半島の歴史書『三国史記』が加わっての三冊合わせよみである。輪読座の記事は輪読娘の福井さん、宮原さんが仕立ててくれているが、バジラの声が差し込まれたスタイルに特徴がある。体調不良をおしながらの鬼気迫るバジラ高橋による講義も、ぜひ聞き逃さないでいただきたい。アーカイブ視聴からも追いつけるので今からでも申し込んでいただければと思う。
── 吉村 堅樹
5 後藤’s 推しキジ!
─ ISIS シン・スタイルでPick!
<特報>伝習座:津田一郎さん講義「カオス理論と物語編集術」突入レポート
伝習座が新しくなりました。これまで当期の[守][破]指導陣向けにクローズドで行われていた伝習座は、誰でも参加できるオープンな学びの場へ。その記念すべきシン伝習座の講師として、ISIS co-mission津田一郎さんが登壇されました。
実は津田さんは「国際学会レベルに匹敵する講義内容を松岡さんに向けて用意した」と打ち合わせで漏らしていました。
松岡さんは本楼にいない。でも津田さんは身を乗り出して話に聞き入る師範・師範代の向こうにいる松岡校長に向かって講義をしているようでした。
津田さんの講義を通して、松岡校長の存在を本楼の隅々に感じたのは私だけではなかったはず。イシスの歴史に刻まれたマジカルな1日でした。── 後藤 由加里
以上、2024年10月の記事から、エディスト編集部の”イチ推し” を厳選してお届けしました。
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エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。