この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!そのなかからエディスト編集部メンバーが厳選した、もう一度読みたい注目の”今月の推しキジ” をお届けしています。
今回は、2025年1月に公開された記事の中から選ばれた記事をご紹介します。それでは、さっそく先月の推しキジ、発表~です!!
大河ドラマ「べらぼう」と並走する連載がはじまりました。大河ドラマをこよなく愛する多読アレゴリア「大河ばっか!」の相部礼子さんと宮前鉄也さんが毎週の見どころを、毎週せっせとお届けしてくれています。
その一ではシーンを、その二ではワールドモデルを、その三ではキャラクターを、といったように物語編集術としてドラマを見るにも、お二人が着目した見どころを読むとさらに物語の理解が進みます。
「べらぼう絢華帳」は毎週金曜あたりに公開されていきます。大河とあわせてご注目を! ─後藤 由加里
ー 応援ファンファーレでPick!
JUSTライターで、多読アレゴリア「千夜千冊パラダイス」でも大活躍の福井千裕さんが、松岡校長の誕生日である1月25日にひらかれた「花伝敢談儀」でのスクープを、記事として残してくださいました。
花伝敢談儀は、花伝所の放伝生(コース修了者)が、師範代へと向かう最初の節目であり、蝶が羽を出すために蛹状態の背に自ら切れ目を入れるような、静かですが劇的な瞬間です。
スクープというのは、単に、敢談儀では「放伝生」として参加された田中優子学長が、「師範代へなろう」という心の動きをとらえたということだけではありません。そうした心の動きが、花伝敢談儀のプログラムやその場の対話によってもたらされたことを、プロセスや写真を含めた表情ごと、形にしてくださっている点です。
まだまだ寒い日々はつづきますが、来季講座の開講に向けて、編集的自由へと羽ばたく師範代の方々の姿が目に浮かぶような、春を先取りするあたたかな記事でした。 ──上杉 公志
「わたし、迷っています。」田中優子学長、セイゴオ誕生日に驚きの告白
イシスに激震走る! 今期の花伝所には場違いな入伝生がいた。田中優子学長その人である。守・破・離・風韻講座を修了して、残すは花伝所のみということで花伝所を受講した田中優子学長。学長としての責務を優先したいと、師範代になる気は全くないと、周りにも宣言していた。ところが、である。花伝所の修了イベントの熱気に煽られたのか、「わたし、迷ってます」とその葛藤する心境を吐露しはじめたのだ。そこを見事に福井千裕ジャストライターがスクープした。その後、田中優子学長は迷いを断ち切って、師範代にエントリー。来期春からは田中優子師範代兼学長の教室が登場する。どんな教室名になるのか、乞うご期待である。─吉村 堅樹
4 チーム渦:角山さん’s 推しキジ!
─ 内と外を繋いでPick!
スタートアップのためのちぐはぐな本棚 ―「STATION Ai」ヒントライブラリーのプランニング編集術
思うに「遊刊エディスト」は、外の世界との接続装置です。イシスという内と外をどう繋ぐか。この「問い」が弱いと内輪ネタに終わり、「問い」が立っていると記事の質は上がります。名古屋のスタートアップ企業の本棚選書を、イシスの中部支所・曼名伽組が担当したというレポート記事は、「イシスと外を繋ぐ」狙いが明確でした。活動自体が「イシスと外を繋ぐ」ものであり、レポート自体も、「選書の裏側を紹介」するという体で、そこに使われた方法を詳述します。まず伝えるべきトピックがあって、それをイシスの方法で語り直す。トピック×方法です。そうか、「遊刊エディスト」はこの基本に立ち返るべきなのだと、私はこの記事に教わりました。
── 角山 祥道
以上、2025年1月の記事から、エディスト編集部の”イチ推し” を厳選してお届けしました。みなさんのオシは、見つかりましたか?
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エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。