この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

公開されるエディスト記事は、毎月30本以上!そのなかからエディスト編集部メンバーが厳選した、もう一度読みたい注目の”今月の推しキジ” をお届けしています。今回は、2024年1月に公開された記事から6つの記事が選ばれました。
あなたのイチ推しはどれでしたか?
それでは、今月の推しキジ、いってみよー!
⦿セイゴオ大絶賛!九天玄氣マガジン『龍』デジタルブック 公開へ
1月といえば校長松岡正剛の傘寿祝いでしょう。倶楽部撮家では「松岡正剛の部品を撮影せよ」というお題のもと1枚に想いを込めてシャッターを切る。部品とはなにか?その部品をどう撮るか? 自由度の高いお題ゆえ、メンバーそれぞれの色が滲み出た記事になっています。
そして、傘寿祝いといえば九天玄氣組に触れないわけにはいきません。月末に公開された九天玄氣マガジンには度肝を抜きました。実物の『龍』を手にとれば、その質量、思い、エディターシップがどれだけ格別なものか、真っ直ぐに伝わってくることでしょう。一見の価値、大アリです。それに現在「本楼」に飾られている和傘オブジェ「玄氣昇龍祝い傘」もとても繊細な手仕事が施されていて、見ているだけで気持ちが華やぎます。いま、本楼に九天の玄氣が満開に降り注いでいます。── 後藤 由加里
マツコ’s Plus one! ?
イシス編集学校の運営母体である編集工学研究所 社長の安藤昭子さんが毎月コラムを綴っています。もちろん先日のコラムでは、松岡校長のお誕生日に触れていらっしゃいますよ。
編工研社長コラム「連編記」 vol.5 「遊」:「遊び」と「編集」
⦿<特報>新年に「吉」を呼び込む現代書シンポジウムレポート
この男、「コンパイルの鬼」である。しかも速い。チームに彼がいれば、格段に戦力が増す。一方で「記者」としては「事実をきちんと伝えること」にカーソルが向かいすぎていた。ようは真面目なのだ。もっとハタモト色を出してもいいのにな、遊んでもいいのにな、と思っていた。ところがどうだろう。今回は一歩も二歩も踏み込んだ。シンポジウムでの松岡校長の言葉を、見方づけで補強し、広げ、読み手に手渡した。書き切るのは困難な道程だったに違いないが、その分、深みが出た。「あ、差しかかりだ」。盟友の大きな変化に「こっちも負けてられないぜ」とひとりごちた。── 角山 祥道
⦿斎藤なずな「このマンガを読め!」ランクイン記念増補版【マンガのスコア】
昨年、多読ジムSeason14・春でコラボゲストとして参加して頂いた漫画家・齋藤なずなさんの新刊『ぼっち死の館』(ビッグコミックス)が『このマンガを読め! 2024』(フリースタイル)の年間ランキングで第2位に選ばれました(1位は坂上暁仁『神田ごくら町職人ばなし』、6位にヤマザキマリ『プリニウス』が入っています)。そのニュースを堀江さんが速報してくれました。ぜひ、「マンガのスコア」と『ぼっち死の館』を読み直す機会としてください。──金 宗代
マツコ’s Plus one! ?
作品が発表された年ごとのクロニクルで【マンガのスコア】を紹介しているアーカイブ記事を、あわせてどうぞ!
【Archive】マンガのスコア 各作家のキーブックはこれだ!!
もうひとつ。堀江さんが、松岡正剛校長の千夜千冊に登場しているのは、ご存じですか? 堀江さんを探せ!
4 マエストロ上杉’s 推しキジ!
─ 応援ファンファーレでPick!
イシスでの編集稽古も、問感応答返も、どちらも「問い」からはじまります。お題を立てることは、編集を起動させる方法でもあるのですね。
原田[破]学匠が自らに課した「問い」は、「十二支の動物たちでバレエを語ることはできるか?」。「ドン・キホーテ」(丑)や「火の鳥」(酉)あたりはすっと浮かぶけれど、「亥」は「この手で来たか!」と意表を突かれました…!
「十二支×バレエ」というフィルターによって新しいバレエたちとであえただけでなく、バレエというメディアの器の大きさ(?)を発見する機会をいただきました。
このコラムを読んだ後、思わず新国立劇場の2024シーズンラインアップをチェックしてしまったことを白状します笑 ──上杉 公志
5 吉村 編集長’s 推しキジ!
─ ISISの今でPick!
⦿イタい年賀状を大放出!! ◢◤[遊姿綴箋] リレーコラム:堀江純一
いやあ、「イタい年賀状」の大放出、壮観です! 「マンガのスコア」の原点ともいえる年賀状を堀江画伯がやけのやんぱちなのか、恥じらいながらなのか、お蔵出ししてくれた。イタいし、頭が相当おめでたいので、正月に相応しいかもしれません。この「イタい年賀状」、私も小学校の時に、なぜかマンションにキャラクターを書き込んで、吹き出しで年始の挨拶をするという「イタい年賀状」を送っておりました。そしてなぜか好感をもつ友人に贈る年賀状の階層は高くなっていくという。こういった過去の汚点のような歴史には、隠れた編集力が潜んでいます。堀江さんのルーツが窺い知れるコラム、ごっつぁんでした。──吉村 堅樹
以上、2024年1月の記事から、エディスト編集部の”イチ推し” を厳選してお届けしました。
みなさんのオシは、見つかりましたか?
次に選ばれるのは、あなたの記事かもしれない!
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。