この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

毎月公開されるEdist記事は30本以上!見逃してしまった記事、もう一度読みたい記事からピックアップ。Edist編集部メンバーそれぞれから、おさえておきたい1本をお届けします。エディストをさらに楽しむ「エディスト・エディション」、どうぞ。
◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 松原朋子 師範代
【ISISCORE】47都道府県中、この6県だけ「ないもの」とは?
北は北海道、南は石垣島まで全国に拡大していくエディットツアースペシャル。ネットの学校、イシス編集学校の面目躍如の祭典になっている。しかし、日本でたった6県だけイシス不毛の地があった。データで解き明かし、NEXT ISISの野望を展望する。
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吉村堅樹 編集的先達:山東京伝
エディスト編集長。僧侶で神父。塾講師でスナックホスト。ガードマンで映画助監督。介護ヘルパーでゲームデバッガー。節操ない転職の果て辿り着いた編集学校。揺らぐことないイシス愛が買われて、2012年から林頭に。
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マツコ: 不毛の地の一つ、群馬県出身で知られる山田泰久師範代にコメントを求めたところ、「なんと、なんと!これは知りませんでした。守・破の師範代をやっている最中、群馬の実家から20本以上は指南を返していると思いますので、何とか認定してもらいたいものです(笑)」とのこと。あげあげリバティ教室の山田師範代は、群馬でエディットツアー開催をもって、認定することが決定!師範代不在の県にゆかりのある方は、ぜひ編集部・学林局にご一報くださいませ。
全国ツアーと言えば、2月のエディットツアースペシャルでは指揮者役でもあった、マエストロ上杉さんの2月おすすめ記事は?
2 上杉’s Choice!
エディットツアースペシャル開催にあたり、編集学校の学校案内に改めて目を通すと、冒頭の校長メッセージに引っかかった。
「私たちは、これら(評価の力と相手へのリスペクト)を互いが持ち合うことこそが、本当のコミュニケーションであって、本当の才能だと思っている」
相互的な状態(学校名ISISのうちのInteractive System状態)でないと、本来が発揮できないということでもある。松井さんと息子さんとの親子の対話からIS状態だからこそうまれる「本来の才能」を感じています。
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上杉公志 編集的先達:パウル・ヒンデミット
前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr. Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。
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次は、編集かあさんディレクションを担当している編集達人・川野ディレクター。
3 川野’s Choice!
太田香保総匠の記事オシです。身近なところに題を取ったエッセイっぽいんですが、実感したことしか書かないという鉄の掟の存在を記事の向こうに感じます。編集を学ぶと、「実はあれとこれがつながっている」ということを言いたくなるんですが、「ピアノの脱力と太極拳の脱力は全然別物だったわ」との言明に、安易な「つながってる!!」に釘を刺されたような感じがして、背筋の伸びる一本でした。
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川野貴志 編集的先達:多和田葉子
金蘭千里中高国語教師。語って名人。綴って達人。場に交わって別格の職人。軽妙かつ絶妙な編集術で、全講座、プロジェクトから引っ張りだこの「イシスの至宝」。野望は「国語で編集」から「編集で国語」への大転換。
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マツコ:松岡正剛事務所 ディレクター、イシス編集学校「離」総匠である太田香保さん。遊刊エディストにも、次々とコラムを寄稿。編集部は背筋が凍る、じゃなくて、”伸びる”思いです…。そして、この春、上杉さんとのメロディアスな連載が始まる予感~。マエストロ上杉の牛歩に痺れを切らし、コラム掲載が加速しています(汗)。
つづいて、記事ディレクションを連打しつづける金 副編集長のおすすめ記事はこちら。
4 金’s Choice!
マツミチさん(松井路代 師範代)の「バジラ高橋一行、雪の鞍馬詣で」が一押しです。事象をピックアップする力がぐーんとレベルアップしています。バッとバッと具体的な描写で場面が切り替わるのが爽快。常套句に逃げることなく自分の言葉で書こうとしているのもよく伝わってきます。校長が言うストラグル、文章と格闘して鬩ぎ合う熱情を感じました。
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金宗代 編集的先達:サン=テグジュペリ
フリーライター。最年少典離以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム立ち上げ、2020オープンのエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
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マツコ:ああ、“ストラグル”。Edist記事って、こうやって、1本1本、指南→推敲→指南→推敲の“ストラグル”を重ねて、つくられております(笑)。Edistライターになる特典は、“ストラグルできること”。熱情の?!ディレクションを経て、ライティング編集力が上がります。ご関心が少しでもおありの方は、ぜひご一緒ください♪
5 後藤’s Choice!
エディストの中でも極めて異色な記事ができました。多読ジムからのスピンオフとも言える増岡冊師の「多読でヒャッハー!ブシャーな十選」。Twitterに記事がアップされると同時に、コアなふなっしーファンからのリツイートといいねが急上昇しました。今までにはいない読者層を拓いた事件的な記事ですね。話題性だけに止まらず、内容は「ふなっしーにお勧めする本十選」と謳いながらも、十冊を通してふなっしーのプロフィールをしっかりと浮かび上がらせるという技も光っています。増岡冊師の意外な一面も垣間見れたウフフな記事は必見です!
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後藤由加里 編集的先達:小池真理子
英会話学校プログラムコーディネーター。NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。
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マツコ:最後は、日夜、すべての記事のマネジメント・リーダー後藤さんからのChoice!後藤なくしてEdistなし!そう、コレ!本当に事件です、一度Twitterのいいねリストを見ていただきたいですよね。増岡冊師のふなっしー愛は、ご本人に届いているのかなっしー?!
いかがでしたか?!
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2020年2月の編集部おすすめ記事をお届けしました。
3月は、新連載も予定しています。またどうぞお楽しみに~!
(Comments by マツコ@編集部)
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
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コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。