この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

2024年8月12日、校長松岡正剛の急逝。都内病院にて肺炎のため息を引き取られた。80歳だった。
あまりにも大きすぎる喪失であっても、編集を止まる理由にはならない。”生涯一編集者”を貫いた師の面影を胸に、イシス編集学校の総力をあげて、9月に開催する第84回感門之盟 番期同門祭の準備に編集を捧げる。
アイキャッチ画像:05.11 41[花]入伝式
◎05.01 『情報の歴史21』アカデミックセット販売開始(〜9/30)
○05.04 劇作家 唐十郎(84歳)逝去
◇07.21 ETJ(Edit Tour Japan)福島開催「盆地の夏は本とcoolに編集ワーク」~着こなし上手な「本」仕込み~(ナビ原田祥子)
○08.08 南海トラフ地震臨時情報
◇08.09 オンライン学校説明会
追悼・松岡正剛
08.21【追悼】未完の編集装置 校長・松岡正剛の面影ISIS(吉村堅樹)
08.23【追悼】松岡校長 あけ伏せと引き算の存在学(田中晶子)
08.25【追悼】松岡校長 人も情報もひとりにしない。(鈴木康代)
08.26【追悼】松岡校長 「型」をめぐる触知的な対話(深谷もと佳)
08.27【追悼】松岡正剛の断片を追いかけて 10shot(後藤由加里)
08.28【追悼】松岡正剛の”変襲力” 月は裏側も見せませんからね(金宗代)
08.30【追悼】デーモンから見たゴーストの“死”(津田一郎)
09.01【追悼】松岡正剛 終わりではなく始まり(田中優子)
09.02【追悼】「マンガのスコア」が見た松岡正剛(堀江純一)
09.03【追悼】松岡正剛のひっくり返し(林朝恵)
09.05【追悼・松岡正剛】「たくさんの生きものと遊んでください。」(松井路代)
09.06【追悼】校長・松岡正剛 石のざわめきを聞く(林愛)
09.07【追悼】松岡正剛 心は一秒たりとも寝ていない(福田容子)
09.07【追悼】半熟の松岡正剛(鈴木健)
09.08【校長相話】「通りすがり」も「単なるリアル」もダメ(野嶋真帆)
09.11【追悼・松岡正剛】啐啄同機のリズムとともに(今福龍太)
09.12【オツ千番外編】追悼松岡正剛・1700夜おっかけ宣言(吉村堅樹・穂積晴明)
09.13【追悼】松岡さんの面影は、私たちの〈創〉を刺激し続けただろう(大澤真幸)
09.16【追悼・松岡正剛】「空」のような人、「空」のような場所(安藤礼二)
09.19【追悼・松岡正剛】暗喩と暗示とシンボルと解釈余地で(山本春奈)
09.22【追悼】松岡正剛という懐で遊んだ四半世紀(中野由紀昌)
09.23【追悼・松岡正剛】遠景に去りゆく“松丸本舗”(手嶋龍一)
09.24【校長相話】マクラメの編み方(阿久津健)
09.25【追悼・松岡正剛】専門に墜ちない知の輝き(佐藤良明)
09.27【追悼・松岡正剛】学際の真髄は松岡道場で鍛えられた(佐倉統)
09.29【追悼・松岡正剛】「共読」の学校で「本の連」をつくりたい(ほんのれん編集部)
つづく>>
エディスト・クロニクル2024 #01 編集のタイドを起こす
エディスト・クロニクル2024 #02 追悼・松岡正剛
エディスト・クロニクル2024 #03 「25周年番期同門祭でいく」
Back Number エディスト・クロニクル
エディスト・クロニクル2023 #03 モンスターを出しなさい
エディスト・クロニクル2023 #02 エディット群島の躍動
エディスト・クロニクル2022 #02 1800夜とEdist新連載の夏
エディスト・クロニクル2021 #03 ウチとソトを飛び越えて
エディスト・クロニクル2020 #03 ハイパー・メディエーションに向かって
エディスト・クロニクル2020 #02 オンラインに感じるトポス
エディスト・クロニクル2019 Movie #03 離ユニオンと出世魚
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
編集工学研究所 吉村堅樹が「編集」や「編集学校」について、ミニ動画で解説をする「林頭吉村の編集解説」をイシス編集学校YouTubeで公開中です。 イシス編集学校の「イシス」とは古代エジプト […]
守破離まるわかり ー イシス編集学校コースマップ 吉村堅樹の編集解説#05
編集工学研究所 吉村堅樹が「編集」や「編集学校」について、ミニ動画で解説をする「吉村堅樹の編集解説」をイシス編集学校YouTubeで公開中です。 イシス編集学校は、武道や芸道での修行における段階「守破離 […]
極める編集の仕上げ|[守]用法4 情報の表現 ー 吉村堅樹の編集解説#04
編集工学研究所 吉村堅樹が「編集」や「編集学校」について、ミニ動画で解説をする「吉村堅樹の編集解説」をイシス編集学校YouTubeで公開中です。 [守]で編集稽古する4つの用法を林頭吉村堅樹が解説するシ […]
世界を編集する方法教えます|[守]用法3 情報の構造化 ー 吉村堅樹の編集解説#03
編集工学研究所 吉村堅樹が「編集」や「編集学校」について、ミニ動画で解説をする「吉村堅樹の編集解説」をイシス編集学校YouTubeで公開中です。 [守]で編集稽古する4つの用法を林頭吉村堅樹が解説するシ […]
情報セットはセクシーに|[守]用法2情報の関係づけ ー 吉村堅樹の編集解説#02
編集工学研究所 吉村堅樹が「編集」や「編集学校」について、ミニ動画で解説をする「吉村堅樹の編集解説」をイシス編集学校YouTubeで公開中です。 林頭吉村堅樹が[守]で編集稽古する4つの用法を解説するシ […]
コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。