第75回感門之盟100shot #01 文字に声、紅を差し、感じる門。

2021/04/18(日)09:32
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学衆がBarの客になれば、学匠はママになる。プラニングがキソイで磨かれれば、師範・師範代はイシス初CM制作に挑む。『情報の歴史21』はついに刊行、千夜千冊でフェチが胎動。オンライン2days感門之盟もこれで二度目、しかし全てが懐かしく新しい。

3月13日、14日に開催された第75回感門之盟を100shotでお届けします。

 

▼東京都共読区豪徳寺

彼の地は東京世田谷にある。豪徳寺駅から徒歩7分。

改札を出ると眉毛のある招き猫が迎えてくれる。

見上げれば空に電線が走る山下商店街。

商店街の三叉路を左に曲がるのが近道である。

善性寺に手をあわせて。目的地はもうすぐそこ。

赤堤通りに出れば目に入るISISの赤いロゴ。赤は編集に火をつける色。

少し重いガラスの扉を開けると感門団もて組があたたかく出迎えてくれる。会場での編集的もてなしを一手に引き受ける。

本楼には今回のためだけのスタジオが出現。毎回が新しい。5台のカメラが目となってプログラムをお届けする。

参加者の手元に届けられた今回のタブロイド。めくればページごとに共読区の街が広がる。

▼全員スタンバイ!

総合司会の大役を務める八田英子律師。講座を見守ってきた八田が司会として感門を祝う。登壇者の情報は全て頭に入っている。帯を締め、紅を引き、準備は万端。

開演15分前。スタジオの空気が次第に緊張を帯びる。

フロアD 橋本英人参丞(中央)が開始の刻を告げ、いよいよスタート!

▼こんなところにいます

 

 

「私はこんなところにいます」

松岡はなにを企んだのかの答えはテクニカルブースだった。黒衣のテクスタッフと並んで開会の挨拶。10年前の震災後の感門之盟で「遠くから来るものや近いものから湧き上がってくるものを共に読んでいこう」と"共読区"をテーマにしたことが明かされる。10年後の今回、テーマに掲げたのは"Inform共読区"。本を通して感じて、読んだことを出し合っていく。出すときに作られるカタチ(form)を大事にして欲しいと、この2日間の南を指す。

 

10年前のポスター。あれから47回の感門之盟を重ねてきた。

両手に筆を持ち、左右同時に書いた校長の書。

▼テキストがメロディを奏でる[守]

テレワークやオンラインに慣れてきた頃に開講した46[守]。しかし、オンラインでこんなに文字に声が乗っている場はないのではないかと鈴木康代[守]学匠は言う。「今期の編集稽古や師範代の指南には表情も音も乗っていた。この期は新たな情報モデル、ISISのNEXTを見せてくれて、オーダーとノイズが絡み合い、うねる期だった」常に変更をかけていく鈴木学匠をして「新たなモデル」と言わしめた今期の師範代たち。

スターシード教室 阿部幸織師範代

上善如水教室 津村直師範代

襟足バンビ教室 尾島可奈子師範代

落花狼籍教室 齋藤成憲師範代

舞台裏では男性スタッフに囲まれる齋藤師範代のプロレスコスチューム。

位相オンライン教室 畑勝之師範代

ライライ兄貴教室 岡田雄希師範代

弓心一射教室 森本康裕師範代

角道ジャイアン教室 角山祥道師範代

いいちこ水滸伝教室 松永真由美師範代

指南を全うした[守]師範代には、松岡校長と鈴木学匠からの直筆メッセージが添えられた先達文庫が授与される。(46[守]先達文庫)感謝と労いの気持ちを本というformに託して。

▼世界にたった一枚の感門表

オンラインの小部屋に教室の仲間が集い、師範代から学衆への感門表が贈られる。師範代は一人一人の学衆の編集稽古を読み、その軌跡を感門表に刻む。一度授与されたことのある者ならわかるだろう。感門表は何度も読み返してもその時の教室風景がカタチをもって瞬時に蘇る記憶装置でもあることを。

  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。