この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

第73回感門之盟で43[破]の師範代に「先達文庫」が授与された。破師範代は、校長が自ら選んだ本を二冊授与される。原田淳子学匠から労いの言葉とともに手渡された。
◆辻井貴之師範代(転界ホログラム教室)
『カッコウはコンピュータに卵を産む』上下
(クリフォード・ストール/草思社文庫)
◆米田奈穂師範代(綾釣水鏡教室)
『絶滅寸前 季語辞典』
『絶滅危急 季語辞典』(夏井いつき/ちくま文庫)
◆内海太陽師範代(合氣プロセス教室)
『天空の舟』上下(宮城谷昌光/文春文庫)
◆阿曽祐子師範代(どろんこ天鵞絨教室)
『名短編、ここにあり』
『名短編、さらにあり』(北村薫・宮部みゆき:編/ちくま文庫)
◆網口渓太師範代(初音イズタロー教室)
『天体嗜好症』
『少年愛の美学』(稲垣足穂/河出文庫)
◆小林奈緒師範代(ホーム・ミーム教室)
『春になったら苺を摘みに』
『不思議な羅針盤』(梨木香歩/新潮文庫)
◆嶋本昌子師範代(羅甸お侠教室)
『ラテンアメリカ怪談集』
『幻獣辞典』(J・L・ボルヘス/河出文庫)
◆阿久津健師範代(タクラミ草紙教室)
『トラウマ文学館』
『絶望図書館』(頭木弘樹:編/ちくま文庫)
◆福田容子師範代(比叡おろし教室)
『創造的進化』
『笑い』(アンリ・ベルクソン/ちくま学芸文庫)
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。