この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

チームラウンジ。学校を【地】にすれば「部室」、アメフトなら「ハドル」、家庭で言えば「食卓」。「今日はこんなことがあったよ!」の声が響く。折り返しを迎えた45[守]には9人の師範と21人の師範代がいる。師範1人と師範代2~3人で1つのチームを結成、計9つのチームが動いている。
校長に名付けられた教室名や師範代のキャラクターに肖り、それぞれのチームには師範が名づけた名前がある。そのチーム名は指南の拠り所にもターゲットにも永遠のQにもなっていく。
45[守]の9チームを、師範のチーム名語りをよすがにクッキングで表す連載企画「リカちゃん・クッキング」。「昼ごはん篇」のあいだを取り持つのはチーム「モーデル」だ。
★チーム名「モーデル」
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実は、ひょんなことから全員が、「伊勢型紙」とつながって
いることがわかりました。偶然は編集の原石。「詣でる」
「モデル(型)」… ”方法”へのときめきをたっぷり込めて
この名にだどりつきました。
師範 山根尚子
くるまがくれ教室 川島司師範代
型紙みえけん教室 佐藤玲子師範代
おまたせ再会教室 古野伸治師範代
伊勢モーデうどん
たたみいわしは「伊勢型紙」。ちくわぶは車輪。
ふんわり色白、コシのあるうどんは師範っぽい。
「おまたせ」と言いながら出てくる伊勢うどん。
●レシピ
《伊勢モーデうどん》
[材料]
・ゆでうどん 1袋
・たたみいわし 1枚
・ちくわぶ 1個
・かまぼこ(ピンク)2切れ
・小松菜 2枚ぐらい
・出し汁 500㏄ぐらい
・たれ だし汁 大2
しょうゆ 大2
みりん 大2
砂糖 小1
[ダンドリ]
1.小松菜は洗っておく。かまぼこは切っておく。
2.鍋を二つ用意する。一つの鍋でだし汁をつくる。市販の顆粒だし一袋を指定量の水に溶かして温める。(かつお、煮干しなどお好みで)
3.もう一つの鍋でうどんのたれをつくる。2のだし汁大さじ2をとりわけ、調味料を加えてひと煮たちさせておく。
4.だし汁の入った鍋にちくわぶを入れて戻す。だしを吸って戻ったら皿などに取り出す。
5.だし汁の入った鍋を火にかけ、うどんをゆでる。ゆだったら箸をつかってザルにとりだし、水切りをして器に盛る。
6.うどんを取り出しただし汁で小松菜をゆでる。ゆであがったら取り出して水にさっとさらし、食べやすい長さに切る。
7.たたみいわしは好みのサイズに切って、菜箸などでつまんで、コンロの火であぶる。
8.5のうどんの上に具を並べ、3のたれをかける。
●師範の感想いただきました!
今日はどんな気分でモーデようかしらと楽しくなって編集力が湧きますぅどん♪羅針盤となるは目にも鮮やか芯が通る小松菜!
●バックナンバー
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
イシス編集学校九州支所「九天玄氣組」は今年20周年。発足会を行った9月の彼岸をめざし、周年事業を進めている。軸となるのは「九州の千夜千冊」を冠した雑誌の発行だ。松岡正剛の千夜千冊から選んだキーブック1冊ごとに33冊のグル […]
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コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。