今、オンラインは「群島スタジオ」時代へ 45[守]伝習座リハ

2020/06/05(金)23:30 img
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イシス編集学校の考えるオンラインとは、テレワークではない。

ハイブリッドでリアル・ヴァーチャル。本楼とオンラインの部屋を多様多層にインタースコアする。

 

 

「さあ、始めよう」

6月5日(金)20:58、翌日の45[守]伝習座のリハーサルが始まった。

 

リアルとヴァーチャルをつなぐインターフェイス。とりわけ参加者が伝習座にインする冒頭には何かがいる。

「それはまたぐこと、瀬戸をどう作るかということ。瀬戸は渡ることで何かが起こっていくから、そこにデザインや用意が必要になる」

44[破]伝習座の松岡正剛の言葉だ。

 

ここでは、本楼スタジオのしつらえと、校長ディレクションのフラグメントを並べる。

 

 

1.スタジオは群島スタイルへ

 

本棚劇場、校長・学匠スタジオ、番匠ブースのアーキペラゴスタイル。

 

インタラクティブワークのメイン会場、本棚劇場

松岡校長・康代学匠が常にインタラクションを差し出す

ツッコミとキレのある進行でリズムを刻む和田番匠ブース

 

 

2.38のお題札で稽古祈願

 

スタジオの両端に38のお題が並ぶ。

穂積デザイナーがフォントタイプやサイズまで厳選している。

 

  

 

 

3.カッターと色紙の創文様

 

数種類の色紙に校長自らがカッターで創文様を象る。21教室の短冊ボードに配置。

「ジグザグで、曲線はだめ。もっと長いのもあっていい「貼るにはあいだがあったほうがいい」

 

  

 

 

4.紫陽花とエディションと『インストール』と

 

「あとはこいつだな」

紫陽花をあしらった棚に、千夜千冊エディション。

文学棚から綿矢りさ『インストール』と森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』を布置。

 

 

 

 

 

5.本楼とオンラインの瀬戸をしかけるイントロダクション

 

 

イシスネオンにインタースコアのロゴ。校長の『守破離の思想』の朗読映像が流れる。

 

「僕の朗読が終わったら、スーってボリューム下げて」

 

ドラムを通奏低音に、松岡校長、鈴木康代学匠、和田めぐみ番匠が38のお題を言葉にする。

 

康代学匠「用法二。11番ジャンケン三段跳び、氏神様・氏子様…」

 

 

「一番、二番とかは全部言わなくていい。途中でいくつか言えばいい」

 

言葉に合わせて、スタジオ両端のお題札をカメラが並走する。

 

 

「もっとカメラのスピードあげてもいいよ」

「映像が終わったら和田さん。佐々木局長をコールしたら、教室名のボードのアップから引きつつ局長を映して」

 

映像・朗読・カメラワークの三位一体で瀬戸があらわれる。

 

 

6.オブザーブのリストも用意のうち

 

(リストを見ながら)「原田(淳子学匠)はくるの?」

 

 

 

7.伝習座はドキュメンタリーだ

 

「階段を用意したから、(後藤)ゆかりちゃんと林(朝恵)さん(カメラ・ビデオ撮影担当)も使ってね」

 

 

階段の仰角からのスタジオ

 

 

8.けばけばと民族パターンでたくさんの守を

 

穂積デザイナーによる伝習座の意匠。

 

穂積デザイナー「守のケバケバの輪郭の内側に、民族のパターンを内側に入れている」

 

 

9.20周年ではドローンで本棚を

 

「森本(研二)くん、活躍してね」

 

 

「20周年は森本くんだからこの中でドローン飛ばす。本をドローンが映していくのをやりたい。(飛ぶ時の)音が大きいので、休憩の時とかにね」

 

***

 

なお、プログラムは、千夜千冊モデルを借りる「師範代の教室の別様の可能性」、用法・指南語り「コロナ時代に世界と自分をつなぐ守るの方法」、師範によるエディション語り、松岡校長×康代学匠対談他。

 

しつらえとプログラムのあわせ・かさね・きそい・そろいの「Jあわせ」の一座は、明日13時から。

  • 上杉公志

    編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。