この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

蒐譚場と書いてシュータンバと読む。[破]の先にある講座ではリアル稽古を行うのがお決まりだ。[花]では入伝式、[離]では表沙汰、[風韻]は仄明書屋、そして[物語]講座は蒐譚場。
2019年11月16日(土)、叢衆、師範代、師範が本楼に集い、9時間半に渡って、物語を読み、物語を語り、物語を編んだ。蒐譚場から10シーンをお届けする。
「12綴、一回りして元に戻ってきました」
今期からお題の順番が物語講座創成期と同じになった。
明治学院大学でも非常勤講師として教鞭を執る赤羽卓美綴師から挨拶。
師範たちから自己紹介と共にメッセージが贈られる。
(左から)
10綴で叢衆だった森井一徳は、今期初の文叢師範として稽古を見守る。
「編伝1910」のリアル稽古を担当した大ベテラン 小濱有紀子師範。
最近、自身の稽古としてピアノを再び弾き始めたと明かしたのは福澤美穂子師範。
10月から大連に赴任している前原章秀師範は今日のために帰日。
師範代のナビによる叢衆たちの紹介。
北海道在住の岩野範昭師範代。北の国を思わせる物語を書いた叢衆に共感を覚える。
奈良在住で遊刊エディストでも活躍中の松井路代師範代。
43[破]師範代から続けて物語講座の初師範代を務める猿子修司師範代。
本茶会のために設えられた茶室「半想庵」に並べられた1910年関連の本たち。
師範・師範代のナビのもとグループワークを行う。
文叢を超えて入り混じり「編伝1910」のリアル稽古を行う。人と交わし合うことは、エディティング・モデルの交換である。
蒐譚場のワークショップでは同じ文叢の仲間と文叢名に肖った物語をつくる。
グループワークで出来上がった作品を発表する叢衆。
リアル稽古を終えたあと、ブビンガ上にディナーの品々が並べられた。
今日のメニューはキッシュ、ハーブチキン、海老とブロッコリーのサラダ、フレッシュ野菜のマリネ、そしてバケットと紅茶。
プログラムの最後は校長校話。
「編伝1910」の手がかりにしてほしいと1709夜『パンとペン』と794夜『ナンシー・キュナード』をあわせ読み。
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。