【破 エディットツアー 8/14開催】物語編集術入門-感涙の物語に潜む型

2022/07/25(月)12:00
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破エディットツアーの指導陣

小さな子どもが泣きながら走ってくる。

 

手には大きな買い物袋。
迎えるお母さんお父さんも泣いている。
「ただいまー、買ってきたよお~!!」

 

『はじめてのおつかい』は、いつ見ても泣ける。幼児が、ある日突然、1人でおつかいに行ってくるように言われ、「えっ?ひとりで?」ととまどい、こわごわ、しぶしぶ出かける。お店までの行き方はわかっているはずなのだが、バスで居眠りして乗り過ごす、通り道にこわい犬がいる。お店についたけど人がいない、何て呼べばいいのか、もじもじ…、やけくそで叫ぶ、思ったより荷物が大きい、つかれた、転んだ、帰りのバス乗り場がわからない、なんども同じところをうろうろ…、幾多の困難を乗り越えて、やっと家に帰りつく。
お母さん、お父さんからの「ありがとう!たすかった!よく行って来てくれた!」の絶賛。安堵と誇らしい気持ちで、夕飯の食卓を囲む。
おおかた、こんな感じだとわかっていても、毎度見てはもらい泣きしてしまう。

 

日テレの人気番組で、かれこれ30年もつづいている。この春からNETFLIXで配信し、世界190以上の国と地域の人が見ているそうだ。「かわいくて死にそう!」とか「日本はこんな小さな子を1人で歩かせるのか?」とか反響があるらしい。各国のニュース等でも取り上げられたとか。子どものはじめてのおつかい、それだけのことがなぜこんなにも心を打つのか。なぜ、何度も見たくなるのか。なぜ外国の人も面白いと思うのか。

 

イシス編集学校[破]で物語編集術を学んだ人は、知っている。これは英雄伝説の型だから、それも王道だからなのだ。松岡正剛校長の言葉を借りれば、物語というものがもつ共生的な同質性と横断的な異質性が発現しているからといえる。

 

この物語編集術を体験できるエディットツアーを開催する。

 

[破]に進むつもり、進むかどうか迷っている[守]学衆、まだ入門していないけれど物語に関心ある方、どなたでも大歓迎。ナビゲーターは、[破]番匠:野嶋真帆・福田容子、[破]師範をへて[遊]物語講座師範代をつとめた植田フサ子の3人だ。長年、物語指南に腕をふるってきた3人のナビで、あなたもすぐに物語ってしまうにちがいない。

 

物語の型は、「はじめてのおつかい」はもちろん、ハリウッド映画やプロジェクトXみたいなドキュメンタリーにも、少年マンガやCMにも潜んでいる。世の中の見え方が変わる編集術をぜひ体験してほしい。 
 
お申込みは、こちらから!

 



【破 エディットツアー】2022年8月14日 オンライン開催

 

物語には「型」があります。

この日は特別に、編集学校が初めての方でも、通常は応用コース[破]で学ぶ「物語編集術」を体験できる機会です。

お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。


 日時: 8月14日(日)15:00-16:30

 場所: オンライン

 対象: イシス編集学校が初めての方でも、どなたでも参加可能

 参加費:1100円(税込)

 ナビゲーター: イシス編集学校 応用コース[破] 野嶋真帆 番匠、福田容子 番匠、[物語講座] 植田フサ子 師範代

 


 

  • 原田淳子

    編集的先達:若桑みどり。姿勢が良すぎる、筋が通りすぎている破二代目学匠。優雅な音楽や舞台には恋慕を、高貴な文章や言葉に敬意を。かつて仕事で世にでる新刊すべてに目を通していた言語明晰な編集目利き。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。