【多読ジム募集】映画で痛快・物語で爽快 season15・夏

2023/05/22(月)08:44
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 松岡正剛校長・秘伝の読書術を身につける<多読ジム>。[season15 夏]が、7月10日にスタートする。

 どうしようか迷っているアナタに、チェックリストをご用意した。

 

 □ 本のジャンルが偏っている
 □ 本を読む速度が遅い
 □ 読者仲間がほしい
 □ 話下手という自覚がある
 □ 書く訓練をしたい
 □ 人生に退屈している

 

 もし、ひとつでもチェックが入ったら?
 多読へようこそ! ジムの冊師のアドバイスは、読書のスキルを200%にアップする。目利きが勧める本は、新たな世界を拓き、そこで得た発見は、アナタの言葉と思考をマシマシにする。一度体験すれば、アナタの辞書から「退屈」の文字が消えるはずだ。
 もし2つ以上、チェックが入ったら?

 手遅れにならないうちに、<多読ジム>の門を叩くことをお勧めする。

 

 [season15 夏]のラインナップはこちら。

 

 <1>ブッククエスト :[遊]物語講座のモノガタリ
 <2>三冊筋プレス  :映画と読む3冊
 <3>エディション読み:『物語の函』

 

 今回のテーマは、物語×映画だ
 物語構造といえば、神話学者のジョセフ・キャンベル。キャンベルがあきらかにした英雄伝説の物語構造3段階、「セパレーション」(出発)⇒「イニシエーション」(試練)⇒「リターン」(帰還)に沿って中身を見ていこう。

 

◆セパレーション――[遊]物語講座をもどく

 

 [season15 夏]の冒険の出発地点は、「ブッククエスト」[遊]物語講座のモノガタリ。<多読ジム>が「物語講座」をもどくって?
 「物語講座」未受講者に説明すると、同講座には毎期、「文叢」という名の教室が誕生する。浮雲ガリバー文叢(1綴)、檸檬レスコー(2綴)、ゴドー山月記(3綴)、一握のモモ(4綴)……といった具合だ。
 勘のいい方はすでにおわかりだろう。二葉亭四迷『浮雲』×スウィフト『ガリバー旅行記』、梶井基次郎『檸檬』×アベ・プレヴォ『マノンレスコー』というように、文叢名には古今東西の名作の名がインタースコアされているのだ。見方を変えれば、物語講座の文叢名は、名作ラインナップ、ということになる。
 これを利用しない手はない。
 「ブッククエスト」とは、選び抜かれた約30~40冊の本の森(書籍リスト)から、本の系統樹をつくり、自分だけの本棚を編集するトレーニングだが、今回の書籍リストこそ、「物語講座1綴~5綴の文叢名」なのである。ここには“物語のアーキタイプ”が揃っている。夏のプールを楽しむかのごとく、物語を存分に浴びてもらいたい。

 

◆イニシエーション――映画を読む・観る・掘る

 

 ブッククエストを抜けた次に出会うのは、ベンチプレスならぬ「三冊筋プレス」だ。ちょっと手ごわい3冊を選び、それを創文に仕上げる。創文はひとつの試練だが、こんなに胸躍るアウトプットの機会もないだろう。なぜなら、目の前の3冊にアナタの視点で関係線を引けるのだから。
 [season15 夏]の三冊筋プレスのテーマは、「映画と読む3冊」。映画を観てから本を読むか。本を読んでから映画を観るか。映画監督やアニメーターらの伝記や、彼らの方法論を手に取ってもいい。映画の予告篇衣裳ハリウッドの脚本家を掘り下げたっていい。シナリオ本やメイキングブックもある。『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎)で、宮崎駿監督に挑む手もある。

 

ひょっとすると20世紀の制作者や表現者のすべてのなかで、今後の青年たちが21世紀のために一番に学ぶべきなのは、映画監督かマンガ家の技法なのではないか。
―― 千夜千冊1585夜『岡本喜八対談集 しどろもどろ

 

 映画には、さまざまな表現の型が詰まっている。

 

◆リターン――最後に出迎える24の世界文学

 

 トレーニングの最後に待っているのは、「エディション読み」だ。松岡正剛の『千夜千冊エディション』からシーズンごとに1冊を選び、マーキング読書を体得していくのだが、さまざまな試練を経て帰還すると、すでに「本」が違ってみえているはずだ。

 今回の1冊はもちろん、『物語の函』。松岡正剛がこれまで読んできた世界名作文学から24作品を厳選したものだ。

 

オデュッセウスとリア王の「負」と「裂け目」。ドン・キホーテとカラマーゾフの兄弟の計画。物語の函には「意外」と「以外」と「遺骸」が詰まっている。モル・フランダーズとマノン・レスコーとカルメンの「偏愛」と「邪険」。古来、名作は力と挫折、愛と罪、希望と裏切りを書いてきた。いったい、何を付け加えれば気がすむというのか。

―― 千夜千冊エディション『物語の函』前口上

 

 ボッカチオの『デカメロン』に、シェイクスピアの『リア王』。ペローの『長靴をはいた猫』に、ユゴーの『レ・ミゼラブル』。夢に希望に男に女。名だたる古典的物語×松岡正剛から、さて何を受け取るか。

 

 <多読ジム>[season15 夏]に参加したアナタにもたらされるのは、汗と涙と爽快感と、そして、刷新されたアナタという物語である。

 

Info


◉多読ジム season15・夏◉募集中!

 

∈START
 2023年7月10日〜9月24日

  ※申込締切日は2023年7月3日

 

∈MENU

  <1>ブッククエスト :[遊]物語講座のモノガタリ
  <2>三冊筋プレス  :映画と読む3冊
  <3>エディション読み:『物語の函』
         ★多読コラボ:COMING SOON!!!!

 

∈URL
 https://es.isis.ne.jp/gym


∈DESIGN the eye-catching image
 山内貴暉

  • 角山祥道

    編集的先達:藤井聡太。「松岡正剛と同じ土俵に立つ」と宣言。花伝所では常に先頭を走り感門では代表挨拶。師範代登板と同時にエディストで連載を始めた前代未聞のプロライター。ISISをさらに複雑系(うずうず)にする異端児。角山が指南する「俺の編集力チェック(無料)」受付中。https://qe.isis.ne.jp/index/kakuyama

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コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。