この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

まだ間に合います! 多読スペシャル「今福龍太を読む」篇!
先月末に募集記事がエディストで公開されました。未読の方はぜひチェックしてください。
今回はその続報です。「今福龍太を読む」篇の講座そのものに焦点化し、いくつかのキートピックを挙げながら、コース内容をご案内します。
【募集◆定員30名】「今福龍太を読む」 多読スペシャル第三弾
◆KEY1:お手製希少本『リングア・フランカへの旅』をプレゼント
募集記事にも記されていますが、今福さんの著書『リングア・フランカへの旅』が講座全体のキーブックになっています。「今福龍太を読む」篇では、この一冊を「舟」と見立てて、書物の群島に旅立ちます。
受講者には、もれなく『リンガ・フランカ』をプレゼントします。じつは『リングア・フランカへの旅』は一般書店では購入することができません。この本は湘南辻堂にあるGato Azul(今福明子さん主宰)という小さな製本工房で、一冊一冊手作りで製本された、お手製希少本なのです。
判型は四六判変形で糸綴じ製本。「舌」というテーマをめぐって、自由に時と場所をたゆたう今福龍太さんの濃厚なエッセイとともに、ところどころに今福明子さんの装画がちりばめられた、80ページほどの小さく愛らしい一冊になっています。
味わい深く、けれども爽やかな読後感がたまりません。ここから旅が始まるのかと考えると、はじめて一人旅に出かける前夜のように、ワクワクが止まらなくなることでしょう。
◆KEY2:群島-読書地図「今福龍太の6つの島宇宙」、初公開
群島-読書地図「今福龍太の6つの島宇宙」、いよいよ初公開です。
編集工学研究所・デザイナーの穂積晴明さんが数か月かけて練りに練って仕上げた力作です。まずはじっくりとご覧ください。
島々には、「クレオール」「イマージュ」「書物」「ユートピア」「群島」「ホモ・ルーデンス」の6つのキーワードとキーブックが紐づいており、さらにサブブックと数多のホットワードが島の周辺を取り囲んでいます。
繰り返しになりますが、「今福龍太を読む」篇の受講者の皆さんは、このマップをもとに《受講生は、『リングア・フランカへの旅』という本の船にのり、この群島-読書地図を手に、「今福龍太の6つの島宇宙」を、島から島へ、探検することになる》というわけです。
今まで、こんな驚くべき読書を体験したことがありますか。
おそらく体験者は、読書に対する考えが、いや、それだけにとどまらず、世界観そのものが一変することでしょう。
◆KEY3:今福龍太の”ナマ”を体感するオープニング・セッション
編集の冒険には、ルル3条が欠かせません。
出発のためのツールは揃いました。『リングア・フランカ』と「今福龍太の6つの島宇宙」です。
ルールは? 『リングア・フランカ』号に乗船して、「6つの島宇宙」をめぐります。
では、ロールは? ロールはいろいろありますが、絶対に欠かせないのは、もちろん今福龍太さんご本人。そもそも、今福さんと出会うことが、この【多読スペシャル】「今福龍太を読む」篇の一つの大きな目的になっています。
とはいえ、出会うと一口に言っても、さまざまな出会い方があります。そこで今福さんがもっとも重視するのは、なんといっても「身体性」です。その思想は『リングア・フランカ』が「舌」をめぐるエッセイであり、たとえば『身体としての書物』のタイトリングからもうかがい知ることができます。
そのため、オープニング・セッションは、【多読スペシャル】では初めてリアルイベント(ZOOM参加も可)として開催することになりました。当日は『リングア・フランカ』と「今福龍太の6つの島宇宙」について、今福さんのナマ講義を聞くことができます。さらに、今福さんとナマの交し合いができる貴重な機会でもあります。
ここまで3つのKEYをご紹介してきましたが、編集学校の講座でも、これほど贅沢なカリキュラムはそうはないでしょう。乗船準備を万端にするためにも、お申込みはお早めに!
そろそろ定員も近づき、締切期限も迫ってきています。
でも、まだ、間に合います!
ご応募、心からお待ちしております。
Info <多読ジム>スペシャルコース第3回「今福龍太を読む」
【受講期間】2023年6月4日(日)~2023年7月9日(日)
*6月4日(日)「オープニング・セッション」
講義=今福龍太/読衆とのセッション
*8月5日(土)「修了式」
スペシャル対談=今福龍太×松岡正剛
今福龍太の審査・講評あり
【受講資格】[破]応用コース修了者
【定員】 30名 ※定員になり次第、締め切りとなります。
【受講料】 77,000円(税込)
※テキスト『リングア・フランカへの旅』
「オープニング・セッション」「修了式」の参加費を含む
【お申込み】https://shop.eel.co.jp/products/detail/532
金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。