この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

「鎌倉アカデミア」は、イシス編集学校のアーキタイプである。
大塚宏(ロール名:せん師)、原田祥子(同:お勝手)、角山祥道(同:み勝手)の3人は、12月2日に開講する【勝手にアカデミア】の準備を夜な夜な進めながら、そのことを確信した。
ここにはたしかに、「学び」のモデルがあった。
ここに、せん師・大塚の思いが重なる。
だがもちろん、【勝手にアカデミア】は、「鎌倉アカデミア」を勉強する会ではない。「鎌倉アカデミア」から「トポスをイキイキとさせるモデル」を取り出し、自分たちで現代のトポスを構想していく場である。
「鎌倉アカデミア」は、戦後の「なにもない」ところ生まれた。「ここには、なにもないからなにもできない」と諦めている人たちにとって、「鎌倉アカデミア」モデルは、ひとつの灯になるはずだ。
「鎌倉アカデミア」校長の三枝博音(思想家)は、学び舎の中心理念に「楽しさ」を掲げた。三枝のいう「楽しさ」は、楽するとか、馴れ合うとか、そういうことではない。場に集った人間が、ロールに関係なく、学び、交わしあい、高めあうことを「楽しさ」と捉えた。これは、【勝手にアカデミア】の目指すところだ。
トポスを信じる者、学びを信じる者、文化を遊びたい者は、【勝手にアカデミア】に来たれ。いま「なにもない」「なにかが足りない」と思う者は、【勝手にアカデミア】で学びたれ。
多読アレゴリア・勝手にアカデミア
【定員】20名
【開講日】2024年12月2日(月)
【申込締切日】2024年11月25日(月)
【受講費】月額11,000円(税込)
*2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、そちらをご利用の上、2クラブ目以降をお申し込みください。
【開催期間】2024冬 2024年12月2日(月)~2025年2月23日(日)以後順次決定
お申し込みはこちらから
https://shop.eel.co.jp/products/detail/765
文:み勝手(角山祥道)
アイキャッチ画像:勝手にアカデミア×山内貴暉
EDO風狂連(田中優子監修):EDOで別世が立ち上がるーーEDO風狂連花鳥風月之船立
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勝手にアカデミア②:文化を遊ぶ、トポスに遊ぶ
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軽井沢別想フロンティア:Coming soon
大河ばっか!:Coming soon
群島ククムイ(今福龍太監修):Coming soon
千夜千冊パラダイス:Coming soon
身体多面体茶論:Coming soon
音づれスコア:Coming soon
角山祥道
編集的先達:藤井聡太。「松岡正剛と同じ土俵に立つ」と宣言。花伝所では常に先頭を走り感門では代表挨拶。師範代登板と同時にエディストで連載を始めた前代未聞のプロライター。ISISをさらに複雑系(うずうず)にする異端児。角山が指南する「俺の編集力チェック(無料)」受付中。https://qe.isis.ne.jp/index/kakuyama
世の中はスコアに溢れている。 小学校に入れば「通知表」という名のスコアを渡される。スポーツも遊びもスコアがつきものだ。勤務評定もスコアなら、楽譜もスコア。健康診断記録や会議の発言録もスコアといえる。私たちのスマホやP […]
スイッチは押せばいい。誰もがわかっている真理だが、得てして内なるスイッチを探し出すのは難しい。結局、見当違いのところを押し続け、いたずらに時が流れる。 4月20日の43期[花伝所]ガイダンスは、いわば、入伝生たちへの […]
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【多読アレゴリア:勝手にアカデミア】勝手にトポスで遊び尽くす
多読アレゴリアWEEK開催中!!!!! 12月2日のオープンに向けて、全12クラブが遊刊エディストを舞台に告知合戦を繰り広げます。どのクラブも定員に届き次第、募集終了です。すでに締切間近のクラブもいくつかあるので、希望の […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。