この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

走るとかわる、わかると数寄になる。世に言うフェチ語りとは一見孤独な世界だが、交じり合う機会を待っているのかもしれない。孤独を愛するが故に、欲する情報に手をこまねいているランナーは数知れず。
意外に思うかもしれないが、編集学校にはマラソン数寄が多い。本を傍らに置き、シューズを履いて、夜明けの街を走る。日頃目にする景色が時間と速度が変わることで全く別の見え方をする。これぞ、まさに編集稽古。さあ、数寄を明かし、交じり合う機会を提供しようではないか。
50期を迎えるイシス編集学校基本コース[守]の入門者向けオンラインエディットツアーに2人の編集ランナー師範が登場する。ストイックにタイムを追いかける堀田幸義師範(アイキャッチ写真左)とプレイフルに世界を駆ける佐藤健太郎師範(写真右)。 ツワモノとキワモノの両者が「編集」の力に肖り、まだ見ぬ未知の走り方の想像力を触発し走破する編集術。それぞれのランナーの世界を広げる90分間のツアーをナビゲートする。
左:シューズはアシックスのTARTHEREDGE(ターサー)を愛用。200g台のとても軽いシューズだが走力がなければ足を痛めてしまう。赤のターサーで10kmマラソンの記録更新にチャレンジし、自己ベスト47分48秒を達成!(堀田)
右:ヨルダン川西岸地域でNGO活動中の2015年のテルアビブマラソンのメダルとTシャツ。テルアビブと言えば、世界遺産の白い都市。そして、情勢緊迫化するとガザ地区から攻撃を受ける街。絡まり合う歴史と政治に思いを馳せつつ駆けました!(佐藤)
体を動かす楽しみを味わうもよし、タイムを追求するもよしのエディットツアー、多くのランナーの参加をお待ちしております。概要は以下のとおり、定員は20名限定。今すぐ以下のリンクからお申し込みください。
文:佐藤健太郎&堀田幸義
アイキャッチデザイン:阿久津健
ジョギングからフルマラソンまで~ランナーズのための編集ワールド・ツアー
10km47分の本格派と、海外で砂漠ランする遊蕩派。2人の「編集ランナー師範」が編集ワークショップを開催。練習方法を工夫したり、継続するコツを、編集術で軽快に案内する1時間半です。
うまく言えないことを言葉にし、変更をかけ、前に進める「編集力」。そのダイナミックなメソッドは人生や世界を広くすることにも通じます。ジョギング愛好派からフルマラソン走者まで、どなたでも気軽にご参加ください。
〇講師:佐藤健太郎&堀田幸義(イシス編集学校師範/専門学校教員・デジタルマーケター)
〇日時:2022年10月5日(水)20:00-21:30 オンライン限定
〇参加費:無料 (限定20名)
〇申し込み:https://shop.eel.co.jp/products/detail/459
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
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イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。