この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

楽しみ方はいろいろあるが、ねぐらもたまには覗いて欲しい。
遊刊エディストにアクセスするとまず目に入るのは「NEWS 新着記事」。ここから新しい記事をチェックする読者が多いのではないだろうか。
見落としがちなのが「NEST」。最新のNEST記事がアップされても「ニュース」に並んでこないからだ。その横の「NEST edit」に控えめに顔を出す。だからと言って、”知る人ぞ知る”のコーナーではない。
「NEST」は遊刊エディストの中でも読み応えのある編集コラムが並ぶ。特に4人の連載記事には注目されたい。
◆『髪棚の三冊』
美容師である花伝師範 深谷もと佳が、三冊のキーブックをつなぎ合わせヘアデザインの現場で雑読乱考する編集問答録。
◆『OTASIS』
松岡正剛事務所ディレクター、そして[離]総匠の太田香保が、音楽、文章編集、松岡校長などについて気ままに綴るコラム。
SEにして着物エディターである師範・森山智子が和装に忍んだシステム編集を紐解く着物エッセイ。
病理医として、二児の母として、[離]右筆の小倉加奈子が編集工学×医療×母をインタースコアする骨太編集記。
ねぐら(NEST)といっても一休みはさせてくれない。読者を知の香り漂う編集の世界へ誘ってくれるねじろ(NEST)といった方が良いだろう。
遊刊エディストを開いたら「NEST edit」もお忘れなく。
後藤由加里
編集的先達:石内都
NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!
編集工学研究所 吉村堅樹が「編集」や「編集学校」について、ミニ動画で解説をする「林頭吉村の編集解説」をイシス編集学校YouTubeで公開中です。 イシス編集学校の「イシス」とは古代エジプト […]
守破離まるわかり ー イシス編集学校コースマップ 吉村堅樹の編集解説#05
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極める編集の仕上げ|[守]用法4 情報の表現 ー 吉村堅樹の編集解説#04
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世界を編集する方法教えます|[守]用法3 情報の構造化 ー 吉村堅樹の編集解説#03
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。