イシス編集学校第54 期[守]特別講義は宇川直宏の編集宣言!!!!!!

2024/12/16(月)19:15
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IT社会とは「何事もデジタル情報にする社会」なのではない。(略)

「何事も高速大量に情報にして、判断を情報化に即して了解してしまう社会」なのである。ようするに自分のアナロジーが奪われていく社会なのだ。

1064夜 ポール・ヴィリリオ『情報化爆弾』

 

◆生成AIはいかにして現”在”化のツール足り得るか?

 OpenAI社が発表した「ChatGPT Pro」が話題だ。高度な推論もできるAIがたちまち導き出す大量の「答え」を了解しながら、人間はますますアナロジーをテクノロジーに明け渡していくのだろうか。

 

 「最初に私たちは道具を作り、その後、道具が私たちを作る」とはマクルーハンの言葉だ。しかし人間は自らが生み出したテクノロジーに馴致されながらも、同時に道具を再編集することで、時代を前に進めてきた。レコードを再生する道具であるターンテーブルの使い方を変えたことで、DJという演奏方法やヒップホップという新たな音楽ジャンルを生み出したように。AIという道具にも、こんな風にもっとワクワクする、刺激的な使い方を発見できないだろうか?

 

 ISIS co-missionのメンバーでもある宇川直宏氏は、一貫してテクノロジーをマニュアル通りには使わず、血の通った表現へと昇華させてきた現”在”美術家だ。会議室でスライドを共有するものだったプロジェクターをクラブに持ち込み「VJ(ビデオ・ジョッキー)」というアート・フォームを生み出し、2010年にスタートしたライブストリーミングチャンネル『DOMMUNE』ではインターネット上にこれまでになかったメディアとコミュニティを出現させた。生成AIも精力的に活用し、細野晴臣と田名網敬一とコラボレーションした『PARCO(パルコ)』の開業55周年キャンペーンも大きな注目を集めている。

 

◆特別講義はイシス未入門者も参加可能!!!!!!

 生成AIを使った表現にはイメージをテキストによって伝える力が欠かせない。宇川氏はそこに編集工学の可能性と重要性を見出しているという。それは巷で言われているような「AIに命令通りの仕事をさせるためのプロンプト・エンジニアリング」ではない。「こだわりたいのは〈実験と偶発的事故〉」という彼にとって、AIもまた「想定外」や「異質」と出会うためのツールなのだ。編集工学もまた、情報編集を通じて様々な偶然を必然にすることを目指してきた。

 

 今回の宇川氏による特別講義は生成AIを使ったクリエイションの事例を交えたレクチャーに加え、イシス編集学校ならではのスペシャル企画も。宇川氏から参加者へ事前に「お題」が出されるのだ。生成AIを使ってこのお題に回答すると、宇川さんから「講評」がもらえる(かもしれない)!!!!!!  しかもこの特別講義はイシス編集学校の入門者か否かにかかわらず、誰でも参加OKだ。「脳と言葉」「経済と機械」を連動させる、生成AIと編集工学の接続を体感せよ!!!!!!

 


  • イシス編集学校第54期[守]特別講義●宇川直宏の編集宣言
  •  
  • ●日時:2025年1月19日(日)14:00~18:00
  • ●参加方法:zoom
  • ●参加費:3,500円(税別)*54[守]受講生は無料

 

 

◎宇川直宏さんをもっと知るには
生成AI時代における「編集工学2.0」!!!!!!!

【AIDA】魔術の時代から妖術の時代へ!!!!! 日常に溶け込む妖怪の処世術を学べ!!!!!【宇川直宏インタビュー全文掲載】


◆イシス編集学校 第55期[守]基本コース募集中!◆

日程:2025年5月12日(月)~2025年8月24日(日)

詳細・申込:https://es.isis.ne.jp/course/syu

  • 石黒好美

    編集的先達:電気グルーヴ。教室名「くちびるディスコ」を体現するラディカルなフリーライター。もうひとつの顔は夢見る社会福祉士。物語講座ではサラエボ事件を起こしたセルビア青年を主人公に仕立て、編伝賞を受賞。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。