【84感門】「松丸本舗」を再生させたブックショップエディター

2024/09/15(日)09:00
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実験的書店空間「松丸本舗」が、第84回感門之盟「25周年 番期同門祭」で再現された。2日間限定の復活だ。

 

求龍堂『千夜千冊』全集の各巻のタイトルを大見出しにして作られた「本殿」コーナーの再現。

 

2009年から2012年まで丸善丸の内本店に存在した松丸本舗は、それまでにない本屋だった。

 

ダントツに逸脱。圧倒的密度の空間。ブックショップエディターは生きた本屋を編集する。お客様と本の間にバーチャルな本棚を即興でつくりだす(森山智子)。

 

松岡正剛が大事にしたのは本を文脈のなかに置くこと。ブックショップエディターは、しかるべき人に渡せるよう、本と人と場の関係を編集する(大音美弥子)。

 

 

ブックショップエディター(BSE)とは、松丸本舗で大活躍した本のコンシェルジュ。左から丸善CHIホールディングス取締役の野村氏と、BSEの川田淳子、大野哲子、森山智子、大音美弥子、小川玲子。

 

 

 

松丸本舗の本棚にむかうことは宝探しのようなものだ。隣り合わせになった本と本の関係を問いたくなる。ブックショップエディターはこのごっこ遊びにとことん付き合う。訪れたお客は孤独に楽しむことはできない。

 

 

 

 

ブックショップエディターが用意した「てんまる三冊」も見逃せない。「本棚は三冊セットで見る」という松岡正剛に倣い、キーブックとなる1冊と、それに寄り添う2冊をセットにし、その三冊にタイトルをつけた福袋だ。

 

 

生きて動く本屋「松丸本舗」を再生させたブックショップエディターによる関係編集を体感してほしい。

 

 

 

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  • 阿部幸織

    編集的先達:細馬宏通。会社ではちゃんとしすぎと評される労働組合のリーダー。ネットワークを活かし組織のためのエディットツアー も師範として初開催。一方、小学校のころから漫画執筆に没頭し、今でもコマのカケアミを眺めたり、感門のメッセージでは鈴を鳴らしてみたり、不思議な一面もある。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。