この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

「『情歴21』を読む」イベント第7弾のゲスト決定JUSTです!
そのゲストとは、な、な、ななななんと『テルマエ・ロマエ』の漫画家・ヤマザキマリさんに決まりました!
ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』(KADOKAWA)
第一回の山本貴光さんから前回の佐藤優さんにいたるまで「Hyper-Editing Platform[AIDA]」のボードメンバー以外の方をゲストとしてお招きするのはイベントスタート以来初めてのこと。では、「どうしていきなりヤマザキマリさんなの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それには深い深いワケがあります。
『情歴21』の帯をご覧ください。一目瞭然、ワケアリの正体はここにあります。
『情報の歴史21』(編集工学研究所)
そうなんです。実はヤマザキマリさんは『情歴21』の推薦人だったのです。実は『情歴21』と縁もゆかりもありまくるキーパーソンだったのです。
遡れば、ヤマザキマリさんと『情歴』のご縁は2018年10月13日放送のテレビ番組「推しボン!~あなたに効く!著名人の極上ブックガイド~」(NHK BSプレミアム)が発端でした。このとき、松岡正剛校長とヤマザキマリさんの初共演が豪徳寺・本楼で実現。この日以来、ヤマザキマリさんに一目惚れした松岡校長は「こんなに知的でパワフルな女性は他にいない」と大絶賛してきました。
そしてそして相思相愛、馬が合いすぎる二人が再度共演するのは時間の問題でした。2021年、ヤマザキマリさんがパーソナリティを務めたラジオ番組「ヤマザキマリラジオ~2021忘年会~」(NHK)に「この年末にじっくり話してみたい」ゲストとして、松岡校長が招かれ、二人はふたたび本楼で再会。このときも松岡校長はヤマザキマリさんのキレキレのコメントに唸りっぱなし。「セイゴオちゃんねる」(松岡正剛事務所)の記事「NEWS 大晦日、ヤマザキマリさんと2021年を振り返る」によると、収録後には「学者100人分だね」と感嘆していたそうです。
二度あることは三度ある。ということで、今回の「『情歴21』を読む」イベントで二人が豪徳寺・本楼で対面するのは三度目になります。ご理解いただけたでしょうか、これだけ二人は「縁もゆかりもありまくる」ワケなんですね。
そんなヤマザキマリさんが『情歴21』を手にいったい何を語るのか。想像するだけでゾクゾクします。古代ギリシャか、イタリア・ルネッサンスか。安倍公房か。コロナパンデミックか。いやいや、全部まるごとか。今回は最初から最後までヤマザキマリ×松岡正剛の対談づくし。乞うご期待!
左から『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』(集英社新書)/中野信子と共著『パンデミックの文明論』(文春新書)/『壁とともに生きる: わたしと「安部公房」』(NHK出版新書)/とり・みきと共作『プリニウス』(新潮社)
「ISIS FESTA SP『情報の歴史21』を読む」は、古代から中世、近世、近代そして2020年まで古今東西様々なジャンルを見開きで一望できる『情歴21』という一大クロニクルに、どんな可能性があるのか、どのように使い倒すことができるのか、さまざまなゲストが自らの方法を開陳するスペシャルイベントです。
このアーカイヴは書籍化の構想もあり、今後も毎月一回ほどのペースで続いていく予定です。まだまだ見逃せない情歴プロジェクト、今後の展開もお楽しみに。
ISIS FESTA SP『情報の歴史21』を読む
第七弾 ヤマザキマリ篇
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2022年9月13日(火) 19:30~22:00
■会場:
リアル参加:本楼(世田谷区豪徳寺)
オンライン参加:お申し込みの方にZOOMアクセス情報をお送りします。
■参加費 :
リアル参加:¥ 3,850(税込)
オンライン参加:¥ 2,200(税込)
■参加資格:どなたでもご参加いただけます。
■参加特典:お申込者限定のアーカイブ動画がございます。(視聴期間:約1カ月)
■お申込み:お申込みはコチラ
*プルダウンでリアル/オンラインをお選びください。
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金 宗 代 QUIM JONG DAE
編集的先達:宮崎滔天
最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
photo: yukari goto
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。