この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

最強タッグか、はたまた世紀の対決か。
「オツ千」でお馴染みの吉村堅樹林頭と、「参丞EEL便」が好評の橋本英人参丞が、同時刻に同じワークショップに立つことになった。
選抜型学生コミュニティFUEKIを運営する株式会社パラドックスとイシス編集学校のコラボワークショップだ。ワークショップの名は「自分らしい視点で新しい価値をつくる編集工学ワークショップ」。吉村林頭がブックサロンスペース本楼で、橋本参丞がオンラインで、それぞれ編集ワークショップを開催する。
予測不能なVUCAと言われる昨今、新型コロナウイルス感染症の影響が加わり、社会が大きく変化して人々の生活も多様になっている。自ら問いを立て続ける自律的な人が求められる中、学生たちに編集力をつけてもらいたい。そう考えた吉村がパラドックスの内村寿之氏に提案し、このワークショップが実現した。何を隠そう内村氏はイシス編集学校の花伝所を放伝した生粋の編集人。ワークショップ企画はあれよあれよと進んでいった。「せっかくだから、地方の学生向けにオンラインもやろうよ」吉村の一言で白羽の矢が立ったのが橋本だった。こうやって、林頭と参丞のダブル登壇が実現した。
「どうせなら、学生に限定せず、大人も学生も混ざった方がいいでしょう」吉村の一言がまた飛び出した。
FUEKIの学生×ビジネスパーソン、リアル×オンライン、林頭×参丞、イシス×パラドックス。多層な編集かけ算で、ひと味違うワークショップになることは請け合いだ。編集腕力には絶対の自信がある2人が登壇するこの機会。これは見逃してはならない。
新たな価値を創造する編集力を欲するなら、学生も大人もぜひご参加を。
〇会場:ブックサロンスペース本楼(東京都世田谷区赤堤)orオンライン
〇講師・本楼開催:吉村堅樹(編集工学研究所 執行役員/主任研究員/イシス編集学校 林頭)
〇講師・オンライン開催:橋本英人(編集工学研究所 執行役員/主任研究員)
〇日時:2022年10月16日(日) 14:00-15:30 本楼もしくはオンライン(同時刻開催)
〇参加費:無料 (本楼・オンラインともに 限定20名)
〇申し込み:株式会社パラドックスサイトから詳細をご確認の上、お申し込みください
※ページ最下部に申し込みリンクがあります
衣笠純子
編集的先達:モーリス・ラヴェル。劇団四季元団員で何を歌ってもミュージカルになる特技の持ち主。折れない編集メンタルと無尽蔵の編集体力、編集工学への使命感の三位一体を備える。オリエンタルな魅力で、なぜかイタリア人に愛される、らしい。
グラスを回す指先に、本の記憶が香る― 「酒上夕書斎」第2夕 6/24YouTube LIVE開催
「酒上夕書斎」第2夕、開催決定。 ― 今度の一冊は、学長・田中優子をつくった“まさか”の読書体験。 ゴートクジイシス館から、月に一度の“本とワインの夕べ”をお届けするYouTube LIVE企画「酒上夕書斎(さけのうえの […]
2024年8月、松岡正剛が静かにこの世を去りました。 その直前まで松岡校長は、生涯一編集者というモットーを貫き、本を読み、言葉を編み、問いを投げかけ続けていました。 さまざまなジャンルのアーティストと親交を深めてきた […]
【見逃し厳禁】田中優子、ついに語りはじめる——読書家としての本領が明かされる「酒上夕書斎」スタート!
田中優子学長が、扉を開く——。 千夜千冊の1850の扉から才能を拓く稽古の種を見出すことができる、と語り続けている田中学長。 江戸文化研究者として広く知られ、多くの読者を魅了してきた。 しかしその深層には、 […]
【3/29開催】ゲストは近藤ようこさん!ISIS FESTA&感話集
近藤ようこさんと物語について語り合いたい。 吉村堅樹林頭たっての希望で、漫画家の近藤ようこさんをゲストにお迎えし、[遊]物語講座17綴の績了式を《ISIS FESTA SP&第87回感門之盟 感話集》として開催することと […]
12/10(火)開催!岩波新書『昭和問答』出版記念トーク「喪失から創出へ――松岡正剛との対話」
田中優子学長の「はじめて」を共にしよう。 「書店でイベントは何度もやりましたが、きちんとしたホールで行うのは初めてなんですよ」 これまで多くの書籍を刊行してきた田中優子学長だが、出版記念イベントをホールで行うのは初だと言 […]
コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。