この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

「子ども編集学校」実践の活動体、子どもプランニングフィールドが作ったZINE「あそぼん vol.2 こくごエディッツ」 が3月16日より販売開始される。
1冊500円、限定300部。お求めはこちらから。
3日間行われる【83感門之盟】でも特別販売。本楼で入手すれば送料無料500円で手に入る。お見逃しなく。
テーマは「こくご」
10月の子どもフィールド共読会では『松岡正剛の国語力』(東京書籍)を読み、解き、語りあった。「国語力」を培う多様な方法のヒントがいくつもつまっていた。
フィールドメンバーが家庭や学びの場で、すでにしている遊びの中からも、方法がたくさん取り出せそうな予感がした。
キックオフ編集会議はおよそ1週間かけて、出入り自由のランチタイムミーティングを重ねた。
幼い子の言葉にハッとするのはなぜ?
日本語と国語の関係は?
他の国では「国語」概念はある?
さまざまな問いを間に、他ではできない雑談をする。0歳から大人まで。お風呂からスイスまで。「ごんぎつね」からユーチューブまで。時間的空間的広がりのあるテーマが集まった。
参加メンバーが書いた図を合わせると「こくご」力は螺旋をかくように育まれるという仮説が生まれた
エッセイ・遊び・キーブック
編集長・景山卓也の巻頭言に続くのは、夫婦でプランニングフィールド参加の河村梢の「おさなごころの発語集(レキシコン)」。
読み物の中では、吉野ケイスケによる「小5のこくご提言」、林愛がスイスの田中志保師範代にインタビューした「スイスのKOKUGO?」が特に圧巻だ。
日本伝統俳句協会新人賞に輝いたばかりの俳人・一倉小鳥による「季語すくい」、京都を疾走する保育士・坂口弥生による「オノマトペ20の扉」などの遊びは、子どもイシスの活動の中で生まれ、この度初めて活字になったもの。ミーティングでワイワイ、実際に遊びブラッシュアップした。
浴びるようにEテレをみて育ち、春から小学生になる上原ゴウ君のお気に入り本はヨシタケシンスケの『あるかしら書店』だ。プレーリヤカーをひく理学療法士・得原藍をハッとさせた本は? キーブック7冊にも注目してほしい。
「自分が国語の授業を組み立てるならこうする」。
小5ケイスケ君の提言
スイスのKOKUGOは? 隠れている4ヶ国語を読み解いてほしい
初開催! 読者の集い
2024年4月7日(日) 10:00 ~12:00には、編集メンバーと読者が交流できるオンライン・ミーティング<「あそぼん」であそぼう!>を開催する。
センテンスしりとりや、オノマトペ20の扉をワイワイ遊べる会だ。子どもとの参加歓迎。参加費無料。「あそぼんvol.2 」裏表紙に、参加申し込みQRコードがついている。参加申し込み受付は4月5日20:00まで。日本に限らず、世界各地からアクセスいただければうれしい。
info
<目次>
まえがき/景山卓也
575で近況報告/フィールドメンバー
おさなごころの発語集(レキシコン)/河村梢
言葉の記憶・記憶の言葉/フィールドメンバー
4歳のいろはカルタ/浦澤美穂
Eテレで遊べ!/上原悦子
言葉から絵へ 絵から言葉へ/フィールドメンバー、大濱朋子、西村慧
YouTubeのこくご/得原藍
小5のこくご提言/吉野ケイスケ・陽子
オノマトペでハイキング、そしてその後/坂口弥生
俳人・一倉小鳥の季語すくい/一倉広美
スイスのKOKUGO?/田中志保(談)、林愛(文)
編集かあさん家の遊び3種/松井路代
お風呂の「ことば」/石井梨香
暮らしと図書館のクロニクル/葛西淳子
かぞくしんぶんをつくる/河村梢
執筆・編集メンバー。佐々木千佳局長からは短歌が届いた
編著者 イシス編集学校 子どもプランニングフィールド
デザイン 山内貴暉、穂積晴明
★オンライン注文はこちらから★
活動主体:イシス子ども支局
神尾美由紀、長島順子、景山卓也、上原悦子、得原藍、
浦澤美穂、吉野陽子、松井路代、石井梨香、野村英司
学林局長 佐々木千佳
◆子ども編集学校をプランニング編集している「子どもプランニングフィールド」へは突破者でしたらどなたでもご参加いただけます。
参加希望の方はこちらから
文:松井路代
アイキャッチ画像作成:吉野陽子
イドバタ瓦版組
「イシス子どもフィールド」のメディア部。「イドバタイムズ」でイシスの方法を発信する。内容は「エディッツの会」をはじめとした企画の広報及びレポート。ネーミングの由来は、フィールド内のイドバタ(井戸端)で企画が生まれるのを見た松岡正剛校長が「イドバタイジング」と命名したことによる。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。