イドバタイムズ issue.19 「お題をつくる」を日常する。子どもプランニングフィールドメンバー募集中

2023/04/01(土)08:19
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 松岡校長が語る情報の構造とお題づくりの核心

 第81回感門之盟・校長校話プログラムの後半、話題は編集稽古の「お題」がつくられたプロセスにむかった。
 野嶋真帆番匠が「人の認知のしくみを生かしたお題に驚いた」と語ると、松岡正剛校長から「情報には、席、人、モノ、場面(文脈)、時間、オブジェクト、位置がある。どれかを動かすと、情報の乗り換え、持ち替え、着替えが起こっていく」という構造の核心が明かされた。
 どこをどうフセて、アケるか。
 どこに「ワカルーカワル」のポイントを置くか。

 お題を受け取った人が、もうちょっとやってみてもいいかな、扉を開けてみようかなと思うには。

 そのためには、コンセプトからアプローチするよりも、普段はしてないことを解放する感覚のほうがいい。
 2000年のイシス編集学校開校前夜、守コースや破コースを作る前に、200から300のリアルな場で行うワークを作った過程で見えてきたことを次の世代に託すように松岡校長は語った。

 「お題をつくる」「お題を遊ぶ」ことを日常にする

 「お題をつくる」ことを日常にしているのが、子ども編集学校を準備している子どもプランニングフィールドである。
 校長校話は、編集かあさん、とうさんが、編集ワークショップ「エディッツの会」づくりやイドバタトークで見えてきたこと、目指したいこととぴったり重なっていた。
 フィールドでは、「子どもたちに出すお題をつくる」だけではなく、「子どもがつくったお題」を遊ぶことやそのモデルの交換も活動の柱としている。
 たとえば、編集かあさん家の長女(9歳)が3月の終わりに「今まで見たことがないけれど、見てみたいなって思うモノを言って」というお題を家族にだした。「テレビや写真で見たことのあるものや、今は見ることができない昔のものはのぞいて、考えてみて」というシバリをつけた。

 「ピラミッド? いやでも、写真で見たことある」
 「ベトナムのハノイがぱっと思い浮かんだけど、テレビで見た」
 「深海。うーん、でもこれもテレビでみたことあるかも」
 出題者の長女の答えは、「ほととぎす」だった。
 うっすら知ってるけど、見たことないものの筆頭だという。
 どうやってこの「お題」を思いついたのかを聞いてみる。朝、通学路で話題がないと辛いけど友だちは待つタイプで、「毎日がんばって話題を考えてる。今日はこれにしてみたの」ということだった。
 編集稽古は、きっと幼な心に埋め込まれている。

 


 

 

■子ども編集学校を作るフィールドメンバーを募っています!

 イシス子ども編集学校は、エディットカフェ内の2つのラウンジで、実践しながら構築途中です。

 

〇守コースを終えたら⇒イシス子どもフィールド(参加無料)

   ・編集ワーク・エディッツの会や千夜千冊共読会の情報をお届けします
   ・イドバタイジング(遊びと学びについてのイドバタトーク)できます

   ※随時参加歓迎。期限なし

 

〇破コースのプランニング編集術を実践したいなら⇒子どもプランニングフィールド(要参加費)

 

   ・お題開発をしています 
   ・ワークショップナビの実践と方法研鑽をしています
   ・メディア化しています

   ※半年ごとに募集しています。詳細は下記へ。

 

 

■「子どもプランニングフィールド2023春秋」概要

ラウンジオープン期間:4月18日(火)~9月中旬

募集対象:破コースのプランニング編集術を「子ども×編集」に生かしてみたい方

活動内容:◎季節ごとにワークショップ企画を行います。(エディッツの会ほか)
     ◎「子ども×編集」をテーマにした冊子を企画×編集します。【NEW!!】
     ◎4月29日(土)にリアル交流会開催予定! 【NEW!!】

参加費:6,600円/半年


◆申し込み(一次募集締切:4/14(金))

https://shop.eel.co.jp/products/detail/528
(プルダウンで「子どもフィールド」または「子どもプランニングフィールド」を選択ください。

 プランニングフィールドお申込みの場合は子どもフィールドにも併せて自動で登録となります。)

 

◆子ども編集学校プロジェクトサイト
 https://es.isis.ne.jp/news/project/2757

 フェイスブックページ
 https://www.facebook.com/kodomo.edit

 

◆お問合せ:kodomo@eel.co.jp

 



活動主体:イシス子ども支局
神尾美由紀、長島順子、景山卓也、上原悦子、得原藍、
浦澤美穂、吉野陽子、松井路代、石井梨香、野村英司
学林局長 佐々木千佳


文:松井路代
アイキャッチ画像作成:吉野陽子

  • イドバタ瓦版組

    「イシス子どもフィールド」のメディア部。「イドバタイムズ」でイシスの方法を発信する。内容は「エディッツの会」をはじめとした企画の広報及びレポート。ネーミングの由来は、フィールド内のイドバタ(井戸端)で企画が生まれるのを見た松岡正剛校長が「イドバタイジング」と命名したことによる。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。