この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

3月22日(土)、松岡正剛プロデュースのブックサロンスペース「本楼」にて、お茶×読書×編集で参加者のみなさまを意外な世界へお連れする「本楼共茶会」(ほんろうともちゃかい)を開催します。4度目となる今回は「ほうじ茶」を入口にプログラムもさらに充実させてバージョンアップ!これまであった参加条件も取り払い、どなたでも参加いただけるイベントになります。イシスの数ある本楼イベントのなかでもちょっと異色の本楼体験を、ぜひ味わいにいらしてください。
今回の本楼共茶会のキャッチコピーがこちら。
仁義の茶・ヤクザな読書
ええっ?なにごと??とガクガク・ブルブルしてきた方、心配ご無用です。バッキバキにしばいて・ゆすって・ヤキ入れて、一度体験するときっと病みつきになります。詳しくはイベント当日のお楽しみにするとして・・・「いつもとは違う空間でお茶&読書を味わってみたい方」「実は読書に自信がない方」「常識破りな世界を覗いてみたい方」など、いろいろな方に楽しんでいただけるはず。前提知識は一切不要、読書の得意・不得意も問いません。
なんだか物騒だなあ、流血沙汰になるのでは?!とまだブルブルしているみなさま、ご安心ください。本楼では血は流れません。そのかわり、みなさんのなかに流れる「編集の血」が騒ぐことでしょう。お茶も読書も窮屈なムショのなかでは堅苦しいものですが、「編集」という名のシャバに出て味わえば、それはそれは面白くなること請け合いです。
イベントの案内人となるのは、イシス編集学校のあらゆる講座プロジェクトを支える「赤堤のお律」こと八田英子。心底惚れた男である松岡正剛を追って編集工学研究所という屋敷に飛び込み、長年松岡の愛弟子として編集道を歩んできたお律が、松岡から直に受けた言葉や方法、知られざるエピソードなどを惜しみなく分け与えてくれます。本楼共茶会でしか聞けないお律の話もどうぞお楽しみに。
◎「本楼共茶会」ほうじ茶篇◎
■日時:2025年3月22日(土)14:00-16:00
■会場:編集工学研究所「本楼」(世田谷区赤堤2-5-3)
■対象:どなたでも参加いただけます
■費用:おひとり1,000円(税抜)
■内容:松岡正剛の「編集術」「多読術」をベースにした唯一無二の編集体験
■持物:新書もしくは文庫を“一人一冊”お持ちください
■案内:イシス編集学校 律師 八田英子
■申込:以下のリンクからお申し込みください(先着15名)
https://shop.eel.co.jp/products/es_tour_250322
□お問い合せ:front_es@eel.co.jp
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。