この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

湯呑みを手のひらにのせ、いつものお茶をすする。
あたり前のようにあるお茶だけど、
ひと雫にどれだけの情報が宿り、いかに編集されてきたものであるか、
「問い」を立てない限り語ってはくれません。
お茶にあるものは、カテキン、カフェインといった成分だけでしょうか。
そうではないはずです。
地を耕し、人を育て、時代を作り、世界を編むほどの底知れない力を秘めている。お茶の物語に耳を傾け、情報を読み取るために必要なのは「編集力」です。
九州に軸を置く「九天玄氣組」は、【お茶から九州を読み解く】というお題を立て、お茶の歩んだ編集の歴史に分け入ることにしました。そこから見えてきたものとは。
4月10日のエディットツアーでは、読み解きの醍醐味である編集のプロセスごとお楽しみいただきます。
九州とのゆかりや、お茶への興味の有無を問わず「読み取る方法」に注目してご参加ください。身近にある意外なものが語りはじめるかもしれませんよ。
さあ、一杯のお茶から九州今昔の旅へでかけましょう。
※九天玄氣組15周年企画
■日時:2021年4月10日(土)15:00~16:30
■会場:Zoom(お申し込みの方に参加用URL、パスワードをお送りします)
■参加費:1,100円(税込)
■定員:先着30名様
■出演:上原美奈子、中野由紀昌、石井梨香、田中さつき、九天玄氣組
■お申し込み:https://shop.eel.co.jp/products/detail/271
※ご参加の際にはお好きなお茶をご用意ください。
※終了後、アフター茶会(20分)も予定しています。
中野由紀昌
編集的先達:石牟礼道子。侠気と九州愛あふれる九天玄氣組組長。組員の信頼は厚く、イシスで最も活気ある支所をつくった。個人事務所として黒ひょうたんがシンボルの「瓢箪座」を設立し、九州遊学を続ける。
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コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。