この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

どなたでも気軽に「編集」を体験いただけるよう、さまざまなテーマで編集ワークショップを行っているイシス編集学校の「エディットツアー」。なかでも《スペシャルエディットツアー》はスペシャルと銘打つだけあって、ナビゲーターも仕立ても格別です。
2024年3月9日(土)14時~、イシスが誇るベテラン師範代・金井良子さんをナビゲーターに迎え、スペシャルエディットツアーを開催します。イシスの外ではネットメディア編集長やブライダルマーケットの調査・企画、テレビ番組のアドバイザーやセミナー講師など幅広く活躍されてきた金井さんならではの視点で、「毎日をもっと豊かにする」ための選りすぐりの編集術をお届けする3時間。ぜひご参加ください。
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今回のツアーはリアル開催、場所は世田谷豪徳寺にある編集工学研究所1階「本楼(ほんろう)」です。イシス編集学校校長・松岡正剛がこだわりにこだわって創り上げた本楼には、壁という壁、柱の四面までもが本で埋め尽くされた圧巻の本棚空間が広がります。「本楼に行ってみたい」というお声はとても多いのですが、ふだんは残念ながら非公開。この機会に、2万冊が呼吸する本の森をゆっくりとご堪能ください。
ナビゲーターを務める金井良子さんは、編集工学研究所が総力をあげてプロデュースするHyper-Editing Platform[AIDA]で師範代(編集コーチ)を務めています。各界で活躍する異才・達人・名匠が集い、激変の時代を再編集してあらたな世界像を構想すべく高速・高密度・高濃度にテーマに切り込む[AIDA]は「知のコロシアム」とも呼ばれるほど。これまでイシス編集学校では800名ちかい師範代が誕生してきましたが、AIDA師範代に抜擢された方は数えるほどしかいません。とても明るく親しみやすいお人柄ながら、切れ味するどい金井さんの編集力は折り紙つきです。
またビジネスの現場では旅行情報や結婚情報などのネットメディア編集長を経て、ブライダルマーケット活性化を目的とした様々な調査・企画を担当。さらに企業向けの講演活動、テレビ番組のアドバイザーやセミナー講師を歴任するなど豊富な経験・実績をお持ちです。
通常のエディットツアーは2時間ですが、スペシャルエディットツアーは3時間に拡大してたっぷりと「編集」を味わっていただけます。さらに美食とお酒を愛する金井さんならではの企画として、途中にワインがふるまわれ、ワインを使ったワークショップも行われるとのこと。色とりどりの本に加えてワインも愉しみつつ、ほろ酔い気分のサロンのような雰囲気で会話をしながらツアーを進めていきます。
最後に、気になるワークショップの中身について少しだけ。今回のツアーでは「毎日をもっと豊かにするためのヒント」として、次の4つのテーマに関連するとっておきの編集術を体験いただきます。
①「ものの見方を自由にする」
②「未知に触れる」
③「数寄を広げる」
④「不足をつくる」
ツアーを終えた頃にはみなさんが感じとる世界のフチが変わり、見える景色がさまざまに動いていくことでしょう。そしてこれから手にする、目にする、感じるものすべてが、みなさんの内に秘めた編集力との出会いを待っています。
アイキャッチ画像:山内貴暉
スペシャルエディットツアー「本と、ワインと、編集と。」
~毎日をもっと豊かにする編集術~
■日時:2024年3月9日(土)14:00-17:00
■参加費:2,000円(税抜)
■会場:編集工学研究所「本楼」(世田谷区赤堤)
■定員:限定16名様(先着順)
■対象:どなたでもご参加いただけます
※未成年の方やお酒(ワイン)が苦手な方はソフトドリンクを提供いたします
■ナビゲーター:マーケットリサーチャー/イベントプロデューサー 金井良子
■内容:「本楼」の見学をしながら、「毎日をもっと豊かにするヒント」になる編集術をワークショップ形式でじっくりたっぷりと体感していただきます
■お申し込みはこちらから▼
https://shop.eel.co.jp/products/detail/672
福井千裕
編集的先達:石牟礼道子。遠投クラス一で女子にも告白されたボーイッシュな少女は、ハーレーに跨り野鍛冶に熱中する一途で涙もろくアツい師範代に成長した。日夜、泥にまみれながら未就学児の発達支援とオーガニックカフェ調理のダブルワークと子育てに奔走中。モットーは、仕事ではなくて志事をする。
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2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。