イーてれのE【77感門】

2021/09/02(木)08:38
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朝刊の番組欄を開くと、左端にNHK。その横に寄り添うように並んでいるEテレは、NHKの別院にも、離れのようにも見える。

 

9月4日と5日の両日に開催される第77回感門之盟で、イシス放送局に寄り添うのがイーてれだ。本楼とオンラインで進行する次第に合わせ、EditCafeからリアルタイムで情報を配信する。当日、本丸イシス放送局のチャットでは、Zoom参加者がリアルと交差し、遊刊エディストでは、ライターが現場の熱気を乗せて速報を仕上げていく。この二つのメディアとともにリテラルなロールを担うイーてれでは、実況中継や出演者の紹介のほか、校長から師範代に贈られる先達文庫のリストや、産声をあげた教室名、師範に贈られる校長直筆の色紙のズームアップ映像など、アーカイブ機能で存分に味わうことができる。

 

イーてれのイーはEditCafeのE。

だがじっと目を凝らすと折り畳まれていたさまざまな別様のEが綻んでくる。エンターテイメント(もてなし)、エモーション、エンパシー、エボリューション、エピファニー・・・。

感門之盟で巧まずして湧き起こるこうした多様なEの香りのエッセンスを、イーてれは届ける。

  • 丸洋子

    編集的先達:ゲオルク・ジンメル。鳥たちの水浴びの音で目覚める。午後にはお庭で英国紅茶と手焼きのクッキー。その品の良さから、誰もが丸さんの子どもになりたいという憧れの存在。主婦のかたわら、翻訳も手がける。

  • 編集用語辞典 20 [イメージメント]

    八田英子律師が亭主となり、隔月に催される「本楼共茶会」(ほんろうともちゃかい)。編集学校の未入門者を同伴して、編集術の面白さを心ゆくまで共に味わうことができるイシスのサロンだ。毎回、律師は『見立て日本』(松岡正剛著、角川 […]

  • 編集用語辞典 19[ISIS(イシス)]

    陸奥の真野の草原遠けども面影にして見ゆといふものを   柩のようなガラスケースが、広々とした明るい室内に点在している。しゃがんで入れ物の中を覗くと、幼い子どもの足形を焼成した、手のひらに載るほどの縄文時代の遺物 […]

  • 編集用語辞典 18[勧学会(かんがくえ)]

    公園の池に浮かぶ蓮の蕾の先端が薄紅色に染まり、ふっくらと丸みを帯びている。その姿は咲く日へ向けて、何かを一心に祈っているようにも見える。 先日、大和や河内や近江から集めた蓮の糸で編まれたという曼陀羅を「法然と極楽浄土展」 […]

  • 編集用語辞典 17 [編集思考素]

    千夜千冊『グノーシス 異端と近代』(1846夜)には「欠けた世界を、別様に仕立てる方法の謎」という心惹かれる帯がついている。中を開くと、グノーシスを簡潔に言い表す次の一文が現われる。   グノーシスとは「原理的 […]

  • 編集用語辞典 16 [物語編集力]

    木漏れ日の揺らめく中を静かに踊る人影がある。虚空へと手を伸ばすその人は、目に見えない何かに促されているようにも見える。踊り終わると、公園のベンチに座る一人の男とふと目が合い、かすかに頷きあう。踊っていた人の姿は、その男に […]

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。