この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

辞書が好きだ。言葉が好きだ。
でも、地味で孤独な趣味でしかない。
語彙不足に焦る。言葉を磨きたい。
でも、どうしたらいいかわからない。
実用的でない言葉が好きでたまらない人にとっても、実用的な言葉に不足を抱えている人にとっても、イシス編集学校はひとつの契機になる。1教室に約10名。ビジネスパーソン、学生、医師、経営者、主婦(主夫)、アーティストなどなど、年齢も職業も居住地域もさまざまな学衆が、編集という方法の秘密に触れるべく、全力で遊び学んでいる。
情報編集入門コース[守]では、既成の見方に凝り固まった情報を柔らかくほぐしていくことを学ぶ。ある情報を意味として言いかえられる集合のことを「意味のシソーラス」と呼び、ひとつの情報を多様に解釈する「言い換え」を駆使しながら、情報が他の情報と接続していくための糸口を見いだす。
面白いのは、それが編集”工学”であることだ。工学には方法論があり、再現性がある。私たちが己の好みや知識を最大限に活かせるよう、38のお題を通じて多様な連想・照合・発見の手続きを学ぶのが[守]だ。
今回のオンラインエディットツアーを担当するのは、師範の加藤めぐみ。中学生の頃に新明解国語辞典を通読して抜き書きノートを作った言葉マニア。このツアーのために数えた自宅の辞書は78冊、本業はIT企業のプロダクトマネージャー。
14日のエディットツアーでは、編集学校に入るとはどのような体験なのか、門前でためらう方に向けて、少人数でこっそりとお伝えする。参加費は無料、オンラインで金曜の19時スタート。記憶が飛ばない程度なら、手元にお酒を用意していただくのも大歓迎だ。ただし、未成年はノンアルコールで。
概要は以下のとおり、定員は10名・未入門者限定。
今すぐお申し込みください。
文:加藤めぐみ
アイキャッチデザイン:阿久津健
辞書と遊ぶ「ことば漬け」の夜。
言葉を愛してやまない人、言葉と出会い直したい人、編集学校が気になっているが踏ん切りがつかない人に向けて、節目の50守、入門ギリギリラストチャンスのエディットツアーを開催。
〇講師:加藤めぐみ(イシス編集学校師範/プロダクトマネージャー)
〇日時:2022年10月14日(金)19:00 オンライン開催
〇参加費:無料
〇対象:イシス編集学校が初めての方
〇推奨:お手元にお好きな辞書(Web上の辞書でも可)
〇お申込み:https://shop.eel.co.jp/products/detail/463
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
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コメント
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。