【ISIS co-mission】イシス編集学校をどう伝えるか? 田中優子学長メッセージ

2025/03/20(木)18:40
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本日2025年3月20日、ISIS co-missionミーティングが開催された。ISIS co-missionはイシス編集学校のアドバイザリーボードであり、メンバーは田中優子学長(法政大学名誉教授、江戸文化研究者)はじめ、井上麻矢氏(劇団こまつ座代表、エッセイスト)、今福龍太氏(文化人類学者、批評家)、宇川直宏氏(現”在”美術家、DOMMUNE主宰)、大澤真幸氏(社会学者)、鈴木健氏(スマートニュース株式会社 共同創業者 代表取締役会長)、武邑光裕氏(メディア美学者)、津田一郎氏(数理科学者)、鈴木康代氏(イシス編集学校 学匠)の総勢9名。エディストでは、ミーティングのラストを締め括った田中優子学長のメッセージをJUSTする。テーマは「イシス編集学校をどう伝えるか?」。

 

 単一のものに向かっていくと「編集」ではなくなります。編集とは関係です。津田一郎さんのおっしゃる通り、「世界の情報を関係づけて命を吹き込むのが編集」です。
 ということは、松岡正剛校長の言葉を並べたり、まとめているだけでは編集にはなりません。自分の命とどこが関係するのかをきちっと示さなければなりません。今日のco-mission(コミッション)ミーティングでは、「イシス編集学校には世界モデルがある」という話がよく出ましたが、それはイシスには血の通ったコミュニケーションがあるからです。
 では、そのイシスをどうやって伝えるていけばいいのか。いま何が起きているか、この現場を伝えればいいんです。イシスではどういうやりとりがなされ、何が起こっているのか。一言で言えば、「相互編集」が起きている。こんな現場、滅多にありません。

 そして、私たちは松岡さんのイメージを今はまだ共有できています。
 しかし、大澤真幸さんの言うように、時間が経てば、夢のように忘れてしまいます。
 だから、急いで仕掛けなければならないと思っています。もたもたしてはいられません。あまり壮大なことを考えるのではなく、すぐにできる方法を次々に現実にしていかなければなりません。
 出版は今、準備中です。でも、これだけは足りません。宇川直宏さんのDOMMUNEのように毎日5時間は配信できませんが(笑)、映像メディアもどんどん使っていくべきです。
 私は以前から、イシスにはドキュメンタリーが必要だと考えていました。なかなか言葉では表現し得ない、師範代と学衆の絶妙な関係を映像なら表現できるのではないでしょうか。

  • 金 宗 代 QUIM JONG DAE

    編集的先達:宮崎滔天
    最年少《典離》以来、幻のNARASIA3、近大DONDEN、多読ジム、KADOKAWAエディットタウンと数々のプロジェクトを牽引。先鋭的な編集センスをもつエディスト副編集長。
    photo: yukari goto

コメント

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山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。