【速報!】『知の編集工学』増補版 ついに刊行!

2023/10/10(火)23:35 img
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 『知の編集工学』増補版(松岡正剛・朝日文庫)がついに刊行されました。

 1996年に初版単行本が刊行されてから、27年の時を経て、増補版として大幅加筆。解説は松岡正剛と親交の深い大澤真幸氏が担当され、帯には佐藤優氏、ヤマザキマリ氏が推薦文を寄せています。今回一新された表紙デザインは編集工学研究所の穂積晴明が担当。追ってイシス編集学校インスタグラムでは穂積による表紙デザインの秘密が明かされる予定です。

 イシス編集学校では『ちのへん』という愛称で呼ばれ、読み継がれてきた本書。今回の増補版では、主要内容は「まったく変わっていない」としつつ、約30年の間に大きく変化した「IT技術環境とのギャップをいくつか埋め」たとされます。

 「結構はっきり書いたよ」と松岡自身が漏らすように、書き下ろしの序文では「私が訴えたかったこと」として、5つの視点が打ち出されています。

    1.「世界」と「自己」をつなげる

    2.さまざまな編集技法を駆使する

    3.編集的世界観をもちつづける

    4.世の中の価値観を相対的に編み直す

    5.物語編集力を活用する

引用:セイゴオちゃんねる

 これらの視点の大元には「生命に学ぶ」「歴史を展く」「文化と遊ぶ」という基本姿勢があることも、AI時代の今こそ見直すべきかもしれません。

 

 書籍刊行と同時に電子書籍も販売中です。なお、ブックファースト新宿店では、初版サイン入り限定30冊が文庫売り場に並んでいます。(数量限定につき売り切れている可能性がありますことご了承ください)

 

10月某日、30冊一気にサインをする松岡正剛。本書内には2種類のサインがしたためられている。

 

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  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。