この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

多読アレゴリアWEEKスタート!!!!!
12月2日のオープンに向けて、全12クラブが遊刊エディストを舞台に告知合戦を繰り広げます。どのクラブも定員に届き次第、募集終了です。すでに締切間近のクラブもいくつかあるので、希望のクラブに絶対入りたいという方はお早めの申込をオススメします!!!!!
「終活読書★死生堂」は、生の裏に例外なく潜んでいる死に「私・詩・思・視」の四つの門から接近し、「メメント・モリ(死をおもえ)」に浸る多読クラブです。
現代の私たちは、死をおもわないように生きています。死に触れることは禁忌であり、死者を見せない仕組みが張り巡らされている社会で、なんとなく与えられた生を消費し続けているのかもしれません。この薄ぼんやりした死生への姿勢から脱却したい。クラブ死生堂は、死の観念の源流や思想や表象をたどり、また、死者たちとの交わり方を探ることで、日常とは別の次元も含めたアクチュアル、今ここに臨在する生の実感を捉えなおしていきたいのです。
メメント・モリの道行きは、冬の私(大音美弥子)、春の詩(塚田有一)、夏の思(赤羽卓美)、秋の視(野嶋真帆)、と交代しながら四人のシ・テンノーがキュレートします。そして冊師にあたる堂守(どうもり)のナビゲートのもと、読衆にあたる堂人(どうじん)が、終活読書プログラムを通して自分なりの死生観を耕していきます。
プログラムの軸となる活動は、死ぬまでに読みたい一冊と対峙し、そこからブックリストを編むこと。そしてそこでの気づきを豊かにするために、戒名のネーミングや墓碑銘や追悼文づくり、自分の「惜門館」のハイパープランニング、死者の言葉や死をめぐる思想、死の絵画の読み解きといったお題、本楼でのイベントや季節の行事(予定)を用意します。
クラブの発起人、大音私テンノーは言います。「阪神大震災をまだ咀嚼しきれないうちに9.11。そして東日本大震災が起こってしまった。コロナで亡くなった人は数字として報じられる。私たちは、これら数多の死者を、自分事として惜別しきれていないんですよ」。死生堂ラウンジで死をおもう日々が、死者とのあらたな関係をもつくりますように。私たちとともに、この未知なる旅に出かけてくれる堂人を募集します。
アイキャッチ画像:終活読書★死生堂×山内貴暉
多読アレゴリア「終活読書★死生堂」
【定員】40名
【開講日】2024年12月2日(月)
【申込締切日】2024年11月25日(月)
【受講費】月額11,000円(税込)
*2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、そちらをご利用の上、2クラブ目以降をお申し込みください。
【開催期間】2024冬 2024年12月2日(月)~2025年2月23日(日)以後順次決定
お申し込みはこちらから
https://shop.eel.co.jp/products/detail/765
終活読書★死生堂:あらたな死生観に出会う道行き
よみかき探Qクラブ:Coming soon
EDO風狂連(田中優子監修):Coming soon
多読ジムClassic:Coming soon
勝手にアカデミア:Coming soon
OUTLYING CLUB(武邑光裕監修):Coming soon
群島ククムイ(今福龍太監修):Coming soon
千夜千冊パラダイス:Coming soon
身体多面体茶論:Coming soon
音づれスコア:Coming soon
大河ばっか!:Coming soon
軽井沢別想フロンティア:Coming soon
野嶋真帆
編集的先達:チャールズ・S・パース。浪花のノンビリストな雰囲気の奥に、鬼気迫る方法と構えをもつISISの「図解の女王」。離の右筆、師範として講座の突端を切り開いてきた。野嶋の手がゆらゆらし出すと、アナロジー編集回路が全開になった合図。
【多読アレゴリア:終活読書★四門堂(死生堂改め)】四つの門から入れ!
死生を巡りあれやこれやとアレゴリア、「終活読書★死生堂」は、「終活読書★四門堂」という名前にアップデートしたというご報告です。 全ては仮の世、ならぬ仮留めよろしく、プロセス編集、自省問答をするなかで寓意 […]
2002年の大阪。上方伝法塾の塾長、はじめてのナマ松岡正剛は超高速だった。西鶴や蒹葭堂、山片蟠桃らを織り込んで関西経済文化を濃密に説いたかと思うと、目の色を変えて灰皿のもとに行き煙にまみれる。とても近寄れる空気ではない […]
自分で自分にバトンを渡して編んでいく【49破AT賞物語編集術】
選手の足がとまりかけると、車の窓から監督の激励が飛ぶ。するとフラフラの選手の脚の回転数が上がる。日曜に締切を控える49〔破〕物語編集術アリスとテレス賞へ向けての激走は、箱根駅伝にたとえれば復路の最終区だろうか。 &nb […]
【49[破]アリスとテレス賞◆セイゴオ知文術】一冊を「知文し合う」絆
課題本として並ぶ十冊との「出会い」は偶然かもしれないが、指南と回答のラリーで一冊との「出逢い」を必然にしていく。 いま49[破]は、この週末に締切を控えるセイゴオ知文術のアワード「アリスとテレス賞」に向かっている。今 […]
■ 湧き出るネタの舞台裏 モニターには、18本の「遊刊エディスト」の記事がミッシリと並んでいる。「実はこれ全て、梅澤奈央記者がほぼ2日間で仕込みました」。「20周年大感門(2020.09)」のサテライト会場・近畿大学の […]
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2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。