この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

「身体の再編集を尽して、遊ぼう」
身体はあらゆる地のもとで違った姿を見せている、目的であり、手段であり、モノであり、コトである。
生まれたときから付きまとっている身体、なのに我々はそれについてほとんど知らないのだ。
当茶論では、キーブックとイベントを通じて身体を巡る様々な”身体編集”を体験する。
2024冬、2025春、そして2025夏と3シーズン目を迎えることに。
「身体」というテーマはとにかく広い。広すぎる。
多読アレゴリア、2025春も大詰めのある夜、身体多面体茶論ではいつまでも悩んでいた。
茶人A:身体多面体茶論、スタートして3シーズン目を迎えますね。次シーズンのテーマはどうしましょう。
茶人B:これまで扱ったテーマは?
茶人E:こちらです。
△2024冬▽ X軸=進化身体、Y軸=美食身体、Z軸=資本主義身体
△2025春▽ X軸=メディア身体、Y軸=数学身体、Z軸=道具身体
茶人D:2024年冬のZ軸=資本主義身体、これはまたやりたい。
茶人A:X軸=メディア身体のイベント「ボイストレーニングワークショップ」も面白かった。自分を楽器化するというZ軸=道具身体にもつながっていたし。
ハミングから声へ 「発声としての音の誕生」
茶人E:現役のジャズ・ボーカリストトレーナーの前で、アカペラで一人ずつ歌う、という恥ずかしい思いをしました。でも、その後はみんなボイストレーニングに夢中で・・・、この時、身体が管楽器になったようにいつもとちがう振動がしましたよ
茶人D:身体から「音を出す」ことと「声を出す」ことは体感としてちがっていた。ハミングから「あ」となる瞬間を意識する経験なんてそうそうないよね。言葉もそうだけど、いかに声を無意識(無自覚)にだしていたかということだな…。
茶人C:声を出すとえば、今季は「春夜の575読書会」をオンラインで開催しました。声を出す・声を見る・文字を聞く・文字に出す、アウトプットの型は“5・7・5”とそんじょそこらには無い企画。Zoom越しだとどうかなぁ、と思ったけど深夜の音読は臨場感ありましたねぇ。
ボイストレーニングワークショップ
茶人A:ボイス、声こそは入れたいね…、う~ん、テーマどうしようか。
茶人B:身体をもっと身近なとこで考える、捉えてみるってどうです?切実な感じとか。長生き、健康、いやいや忙しい毎日だからストレスが溜まる一方だよ。
茶人C:みなさん疲れてますねぇ。そう・・・疲れてるってことは、あーっ!、そこ行きますか?
茶人A:ど、どこへ?
茶人C:ずばり「疲労身体」です!
茶人A:えぇ~、疲労?どういうことですか。
茶人B:いや、それ面白いかも。疲労を回復させることだけではなく、そもそも疲労とはなにか、身体の疲労状態ってどういう状況なのか、身体を疲労させるものってなんなのか。寝苦しい、そんな日本の夏に考えるのもオツですね。
茶人A:グッド、それでいこう。
茶人D:X軸=疲労身体。他、どうします?
<相談中>
茶人A:というわけで、2025年夏はこちらのテーマで身体を遊び尽くしましょう!
3軸とキーブック
X軸=疲労身体 ・・・疲労と身体のあいだをのぞく視点
近藤一博著『疲労とはなにか』ブルーバックスY軸=AI身体 ・・・生成AI・言語・身体を合成する視点
大澤真幸ほか著『生成AI時代の言語論』左右社Z軸=座禅身体 ・・・動かない身体という視点もあり
鈴木大拙著『禅と日本文化』角川ソフィア文庫
われわれは身体から切り離して考えることなどできない。
その多面体っぷりに、今季も挑みます。
身体多面体茶論は、とにかく体験!
イベントを通じ、あらゆる身体の可能性を探っていきます。
夏は疲れやすい…、
癒やされたい方、お茶をご用意してお待ちしています 旦
文:身体多面体茶論 茶人
アイキャッチ画像:身体多面体茶論×山内貴暉
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多読アレゴリア2025夏 身体多面体茶論
【定員】20名
【申込】https://shop.eel.co.jp/products/tadoku_allegoria_2025summer
【開講期間】2025年2025年6月2日(月)~8月24日(日)
【申込締切】2025年5月26日(月)
【受講資格】どなたでも受講できます
【受講費】月額11,000円(税込)
※ クレジット払いのみ
※ 初月度分のみ購入時決済
以後毎月26日に翌月受講料を自動課金
例)2025夏申し込みの場合
購入時に2025年6月分を決済
2025年6月26日に2025年7月分、以後継続
【お問合せ】allegoria@eel.co.jp
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https://eel-dev.sakura.ne.jp/post/allegoria_shintai07/
【多読アレゴリア:身体多面体茶論】地に足つけてスッピンでいこう!(イベントレポート編)
https://eel-dev.sakura.ne.jp/post/allegoria_shintai06/
【多読アレゴリア:身体多面体茶論】其儘身体尽し
https://eel-dev.sakura.ne.jp/just/allegoria_shintai05/
身体多面体茶論④:「身体」を読む(資本主義身体編)
https://eel-dev.sakura.ne.jp/just/allegoria_shintai04/
身体多面体茶論③:「身体」を読む(美食身体編)
https://eel-dev.sakura.ne.jp/just/allegoria_shintai03/
身体多面体茶論②:「身体」を読む(進化身体編)
https://eel-dev.sakura.ne.jp/just/allegoria_shintai02/
身体多面体茶論①:「身体」を斬る(導入編)
身体多面体茶論
一番近くて遠い"未知の身体"を動く・食べる・賭けるを通じて編集していく。「体は本であり、本は体である」ことを多面的に取り出していく実験的なサロン。
【多読アレゴリア:身体多面体茶論】 日暮里の土耳古でベリーダンスを食す!(イベントレポート編)
「身体の再編集を尽して、遊ぼう」 身体はあらゆる地のもとで違った姿を見せている、目的であり、手段であり、モノであり、コトである。しかし、生まれたときから付きまとっている身体、我々はそれについてほとんど知らないのだ。 […]
【多読アレゴリア:身体多面体茶論】地に足つけてスッピンでいこう!(イベントレポート編)
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コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。