この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

好評につき、多読アレゴリアの申込受付を12月1日(日)まで延長しました。なお、どのクラブも定員に届き次第募集終了です。すでに締切間近のクラブもいくつかあるので、希望のクラブに絶対入りたいという方はお早めの申込をオススメします!!!!!
なぜ、身体を考える上で、進化、美食、資本主義の三軸なのか
Y軸=美食 ・・・文化・文明を生み出した身体を知るという視点
ガイ・クロスビー著『食の科学』ニュートンプレス
ここでは身体を「美食」の視点から考えていきます。
『食の科学』は、
・人類の進化に、料理はどんな貢献をしたのでしょうか。
・ほかの生物種と比べて、人類だけが生物的にも社会的にも急速な進化を遂げられたのはなぜでしょうか。
・もしも料理が何らかの影響を与えたとしたら、それはどのようなものでしょうか。
という多くの問いからはじまり、こう結ばれています。
・地球上に暮らしているすべての生物のうち、食物を料理するのは人類だけです。
人類の最古の祖先にあたるホモ・エレクトゥスが、進化の過程で脳が大きくなり、歯と消化器官が小さくなったということは、火の使用や料理することと関係があるのではないか、といわれています。詳細は省きますが、進化の過程を考えるうえで、また身体を多面的にとらえるうえで、食は外せませんね!
◆身体多面体的ネオバロック 其の3
回答形式はさまざま。言葉だけではなく映像、絵、音楽などなど、多様な回答形式が選択可能です。回答に合わせたモードチェンジは自由自在に、どんどん遊んでいきましょう。
民族食レポ、と題して普段食べないモノを食べてレポートするイベントを企画しています。例えば、そこで得られた身体的なきづきや身体観の変化をどんな方法で表しましょうか?、その共読から思わぬ編集へ向かうことができるはずです。
世界の奇妙な食べ物XX選、のようなタイトルをつけた場合、それはどの民族が地であるかによっても料理は変わります。日本人の感覚からすると食べないもの、逆に外国の方から見ると食べにくい和食の数々も、栄養という観点で見れば合理的、或いは理に適っていることはよくあります。料理の縦軸を進化とすれば、横軸は物理的な距離や地域、或いは文化を設定することもできそうです。
◆身体多面体的ネオバロック 其の4
身体観は地を過去・現在・未来、そして世界に広げていきます。日本に居ながら世界とつながる方法もさまざま、食や料理をはじめとして、多様なものごとで縦横、時に斜めに関係線を引いていきますヨ。
いずれにせよ、約260万年前から1万1700年前まで続くことになる氷河期が更新世の間に始まったことが、暖や明かりをとり、捕食動物から身を守るために火を起こし、使い、制御するきっかけになったといえます。その中で料理は、初めは偶然から火で焼いた食物のおいしさを知った初期の人類が、同じ行為を何度も何度も繰り返すようになった、と考えられています。
偶然も積極的に取り入れ、そこから始まる「身体観」の変化を見逃さないこと、これは必須ですね。みなさん、一緒に未知との出会いを楽しんでいきましょう。
多読アレゴリア「身体多面体茶論」
【定員】20名
【開講日】2024年12月2日(月)
【申込締切日】2024年12月1日(日)
【受講費】月額11,000円(税込)
*2クラブ目以降は、半額でお申し込みいただけます。
1クラブ申し込みされた方にはクーポンが発行されますので、そちらをご利用の上、
2クラブ目以降をお申し込みください。
【開催期間】2024冬 2024年12月2日(月)~2025年2月23日(日)以後順次決定
お申し込みはこちらから
https://shop.eel.co.jp/products/detail/765
文:身体多面体茶論一同
アイキャッチ画像:身体多面体茶論×山内貴暉
EDO風狂連(田中優子監修):EDOで別世が立ち上がるーーEDO風狂連花鳥風月之船立
多読ジムClassic:読書術をアップデート!自分だけのヴァージョン探し
勝手にアカデミア③:2030年の鎌倉ガイドブックを創るのだ!
緊急瓦版!『多読アレゴリア 大河ばっか!』ーー本が連なり、歴史の大河へ
大河ばっか!①:「大河ばっか!」の源へ(キャラクター・ナレーター編)
身体多面体茶論③:「身体」を読む(美食身体編)
千夜千冊パラダイス①:シーズン1のKEY千夜は、松岡正剛「原点」の一冊!
音づれスコア:Coming soon
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
田中優子の酒上夕書斎|第一夕『普賢』石川淳(2025年5月27日)
学長 田中優子が一冊の本をナビゲートするYouTube LIVE番組「酒上夕書斎(さけのうえのゆうしょさい」。書物に囲まれた空間で、毎月月末火曜日の夕方に、大好きなワインを片手に自身の読書遍歴を交えながら語ります。 &n […]
【多読アレゴリアTV】一倉広美の「イチクラ!」着物をアートでコーデする
芽吹きの春から滴りの夏へ。いよいよ熱を帯びてきた多読アレゴリアの旬をお届けします。松岡正剛より「支度天」の名を受けたダンドリ仕掛け人・武田英裕キャスターと共に、守師範の一倉広美がアシスタントをつとめる『多読アレゴリアTV […]
この春オープンした「多読ジムClassic(25春)」も、数日のアディショナルタイムを経て、5月28日に今シーズンを無事に終了しました。3つのトレーニングお題を一挙出題! という初の試みのなか、好きなお題から、自由に行っ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 6月のDo-Sayをお届けします。今月はイベントを多数予定していますよ!そして、イシス編集学校初のクラブ活動 […]
コメント
1~3件/3件
2025-06-10
この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。
2025-06-10
藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。
2025-06-06
音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。