明日あかされる「共読」の秘密【75感門 前夜】

2021/03/12(金)23:11
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2021年3月11日。東日本大震災から10年を迎えた。

 

震災から五日後の2011年3月16日、松岡校長は1405夜 尾池和夫『新版 活動期に入った地震列島』で千夜千冊の番外編をスタートさせ、翌月の感門之盟では、3.11によって「割れ目」「断絶」が見えたと語った。

 

その感門之盟のタイトルが「共読区」だった。「共読」という編集こそ、これからますます必要になってくるとのメッセージであり、これからどのような「共読」をするかというお題でもあった。

 

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そこから10年。第75回感門之盟のタイトルは「Inform共読区」だ。再び「共読」だ。

これまでの10年、私たちはどのような共読をしてきたのか。そもそもInformとは?「共読」とは?「共読『区』」とは?

 

明日からの感門之盟では、それぞれが抱くこうした問いから、たくさんの問感応答返がうまれることだろう。

 

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豪徳寺の編集工学研究所1階の本楼では、リハーサルが進行中だ。

前日同様、松岡校長と吉村林頭のディレクションが入る。

 

感門之盟では、毎期ごとに設えを更新し続けているが、今回は「千夜千冊の秘密」を想起させる。

複数の本棚が、群島のように本楼に浮かんでいる。

 

 

これを各講座の見立てとみるか、知のモデルと見るか、これまでの稽古模様を想起するか。

 

ここでは、本の島々の一旦を紹介するが、これもプロセスの途中だ。

 

 

 

 

 

この記事を書いている今も、本が追加され配置も動かされている。

メインの進行と共に、こうした設えも共読の契機として欲しい。

 

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第75回感門之盟スタートまで残り約14時間。

これまでの稽古を振り返り、感門を寿ぐハレの二日間。

みなさんのご参加をお待ちしています。

 

  • 上杉公志

    編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。

コメント

1~3件/3件

山田細香

2025-06-10

 この日、セイゴオはどこから私達を見つめてくれていただろう。活け花の隙間、本楼の桟敷、編工研の屋根の上、地上15m付近の鳥の背中。低い所か、高い所か、感じ方は人それぞれだろうけど、霊魂がどこに遍在しているかを考えることと、建築物の高さは深く関係している。
 建築家・藤森照信はいろんな高さに茶室を造ってきた。山から伐り出した栗の木を柱にした《高過庵》の躙口は地上6m。その隣には地面に埋まった竪穴式の《低過庵》がある。この「高過ぎ」「低過ぎ」と言えるその基準は何なのか。

山田細香

2025-06-10

 藤森は人間の生と死のプロセスをノートに書きつけ、霊がどこに行くかをずっと考えてきた。そして人間が死ぬ場所としてドンピシャの高さを見つけ出している。それが檜の1本柱の上に建つ地上4mの《徹》だ。春になると満開の桜の中に茶室が浮かび上がる。桜は死を連想させる。この高さの絶妙さを目の当たりにすると、美しさだけでなく恐怖さえも感じてしまうのだ。

堀江純一

2025-06-06

音夜會の予習には『愛は愛とて何になる』(小学館)が是非ともおススメ。松岡校長も寄稿しています。
さらに、あがた森魚さんの映画監督第一作「僕は天使ぢゃないよ」は、なかなかの怪作なのでご興味のある方は是非どうぞ。
監督・脚本・主演・歌唱あがた森魚で、他にも横尾忠則、大瀧詠一、緑魔子、桃井かおり、山本コウタロー、泉谷しげる、鈴木慶一などなど無駄に豪華キャストなのに、なぜかヒロイン役が一般人(たぶん...)で、びっくりするほどのセリフ棒読み。さすがにこれはダメだろうと思いながら観ているうちに、だんだんこの子がいい感じに見えてくるから不思議。あがたさんの「愛の理想形」を結晶化させたような作品です。